2021年1月、ほぼ初めて*1のはてなブログへの投稿で、大きな話題を呼んだ記事があります。JUNERAY(id:juneray)さんによる「どうしても愛を抑えられず、駄菓子を自作することにした」。はてなブックマークは100usersを超え、Twitterでは1万リツイート、1.5万いいね*2の大反響です。
突如話題となったJUNERAYさん。本記事では、はてなブログを始めたきっかけや、記事が完成するまでの裏話、SNSで話題になったことへの思いなどをメールで伺いました。「ブログを始めようか悩んでいる人」や「自分らしい記事をどう書いたら良いか悩んでいる人」におすすめの内容です。
はてなブログは「大人が使うもの」!?
──はてなブログを始めたきっかけを教えてください。
以前、はてな編集部さんからのお声がけで楽天カードさんのメディア「Fun Pay!」に寄稿させていただいたのですが、そういえばはてなのサービスを使ったことがないぞと気付きまして。自分が小中学生くらいの頃にすでに有名なサービスだったので、変な話、「大人が使うもの」みたいなイメージだったんですよね(笑)。はてなブログに登録したのは本当につい最近ですが、使い勝手の良さに感動しっぱなしです。
今は自由に文章を書ける場がいくつもありますが、はてなブログはカスタマイズできる加減がちょうどいい。絵に例えると、色相環図の中から1色ずつ選んで描けと言われても難しいけれど、24色セットの色鉛筆を用意されるとなぜか描ける! みたいなワクワク感があります。
昨年から、家の中や近場でできる楽しいことを共有できたら、と考えていた
──構想・制作・執筆には、それぞれどれくらい時間をかけましたか? 大変だった点も教えてください。
構想(というほどの記事なのか謎ですが)は昨年の秋頃からで、制作と撮影に2日、執筆は通勤時間の30分×5日くらいでしょうか。仕事の隙間時間にちまちま書いてました。
普段の制作スタイルとしては、メインの仕事で1日10時間くらい拘束されて、通勤に3時間、お仕事でいただいている文章を夜に1〜2時間。残った小さい時間で本を読んだり、趣味の文章を書いたり、という感じです。
食べ物を粗末にしないように、料理を伴う記事はやり方をよく考えてから取り組むのですが、駄菓子がどうやってできているのかを考えるのは新鮮な体験でした。どうしたらうまくいくのか、うまくいかなかったとして何がダメなのか分からない。ずっと緊張しながら作っていた記憶があります。
──Twitterでの大きな反響について、どのように受け止めていますか。
実は、話題にしていただいていたことを、かなり後から知りまして……。暗いニュースに紛れて、たまたま見つけた人がクスっとしてくれたらいいな、くらいの気持ちで書いたので、Twitterではすごくあっさり宣伝してました。フォローしている方が上手に紹介してくださって、たくさんの方に届けていただいた形です。はてなブログで書いた記事のほぼ1作目でしたので、いただいたスターやブックマークもなにがなんだか分からず、でも多分いいものだ! うれしい〜! みたいな。本当にありがたいことです。
過去記事まとめだけだと寂しいので、ついでに好き放題やってる記事を投稿しました。宜しくお願い致します。#はてなブログ https://t.co/j1k7DNxF2b
— ジューンレイ (@_June_ray) 2021年1月18日
↑自分の宣伝ツイート。「はてなブログはじめました」ツイートのリプライとして投稿しました。これを見た友人から「何年Twitterやってんの」と叱られました。
エゴサーチが苦手でツイートしていただいた感想を追い切れていないのですが、どうやら楽しんでいただけたようで、とてもうれしいです。
昨年の春頃からずっと、家の中や近場でできる楽しいことを共有できたら、と考えながら文章を書いてきました。楽しそう! やってみたい! と思っていただけたら幸いですし、逆に皆さんの「楽しいこと」もたくさん教えていただきたいです。
1つの対象を10人が見ていたら10通りのまなざしがあって、他者のそれはすごく面白い
──プロフィールでは「日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの花屋」と公開しているほか、ライターとして「デイリーポータルZ*3」などでも執筆されていたりと、多才に活躍されていますよね。これまでどういったお仕事をされてきたのでしょうか?
多才と言っていただけるのはありがたいことですが、実際は飽きっぽいだけです。
よく学校を卒業できたな〜と思うくらい、毎日同じことを繰り返すのが苦手で、仕事も家具屋になったり、花屋になったり。と思いきやバーで修行し始めたり、また花屋になったり……。何かに興味を持って学びたくなっても、「勉強しないと大変なことになる」状況に自分を追い込まないと、なかなか進まないことが多いんですよね。だから仕事にしてしまう。
とはいえ、花屋になれば植物の全てが分かるというわけでもないので、普段から本を読んだり、人と交流したりして少しずつ勉強しています。
文章を書くことについては、「今月はこれが面白いと思う!」といういまの視点を発信できるおかげで、飽きずに続けてこられました。締め切りがあるから全速力で走れるし、感想をいただくことで別の視点から好きになれる。ネット記事でも書籍でも、専門知識がある方の愛に溢れた文章が好きで、私もそうなりたいなと思っています。
──これから自分で記事を書こうと思っている方に、メッセージがあればお願いします。
以前インタビューを受けてらした古賀及子(id:mabatakixxx)さんのブログがすごく好きで、最初に読んだときは、人の日記ってこんなに面白いんだ………! と衝撃を受けた記憶があります。
他の人はお昼ご飯はこういうものを食べているんだな、とか、掃除はこういうふうに片付けてるんだな、とか。家で独りでいる私が一人じゃないというか、他者の日記を読むことで、自分の生活に重ねて共感したり、あたらしい発見をしたりできると知りました。インタビューの中でも語ってらっしゃったことですが、人それぞれが何十億分の一の視点を持っているんですよね。
1つの対象を10人が見ていたら10通りのまなざしがあって、他者のそれはすごく面白い。極端な話、いまのインターネットに要らない話ってないんだと思います。
なので、私が読み手側のときは、「いまはこういうのが流行っていて面白いらしいです。自分もやってみました」よりも、「自分にはこう見えてるんですけど、これって良くないですか?」のお話がたくさん聞けるとうれしいなあと思います。
はてなブログでは、それぞれの視点で書かれた文章をお待ちしています。あなただけの「まなざし」をブログに書き残してみませんか?