図書館はずっと憧れの地。私の“図書館欲”を刺激してくれる記事いろいろ

週刊はてなブログを運営する「週刊はてなブログ編集部」と、クライアントのオウンドメディア記事を制作する「はてな編集部」が合同でブログを紹介する連載企画「編集部が気になるブログ」。今回ははてな編集部の万井が「図書館」にまつわるブログを紹介します。

こんにちは、はてな編集部の万井です。

なかなか知られる機会が少ないのですが、はてなブログでは、図書館(国立図書館・公立図書館・大学図書館)を対象に有料プラン「はてなブログPro」の無料提供を行っています!

はてなブログ 図書館支援プログラム 「はてなブログPro」を無料で提供! - はてなブログ

なぜ突然「図書館支援プログラム」の話をしたかというと、私は学生時代、「図書館情報学」*1という学問で、図書館について学んでいたからです。それって何を学ぶの? そんな名前知らない!という方も多いのではないかと思います。

簡単に説明しようとすると「情報の分類や保存、蓄積、利用に関する諸問題について図書館やメディアなどの視点から研究する学問」……と堅苦しくなってしまうのですが、扱う中で一番身近なものとしてイメージしやすいのは、各市町村にあるような公共図書館や、大学にある大学図書館などでしょうか。

なぜ図書館に興味を持ったのか。それは、「知識や知恵が整然とした状態で詰まっている」ことに感動したのがきっかけでした。

高校生の頃までは学校の図書館や近所の図書館にしか触れたことがなかったのですが、大学で図書館に足を踏み入れた時、あまりの収蔵量の多さに「私は一生掛けてもここにある本を読み切ることはないんだ」と圧倒された思い出があります。さらに「一生を費やしても把握できない知識が、一定のルールで整理されている」ことにますます圧倒されたのでした。

できれば図書館司書になりたいと考えていましたが、折しも就職氷河期、就職活動で大苦戦した私は、残念ながら司書という職業には手が届きませんでした。

しかし、図書館という存在は今でも憧れの場所です。なかなか図書館まで足を運べなくても、はてなブックマークでは図書館の話題をよく目にしますし、はてなブログには図書館に関係する内容を書いているブログがいくつもあります。それらを通じて図書館の話題に触れることで、学生の頃から続く“図書館欲”を満たしています。今回はその中から、“図書館欲”を刺激してくれるような記事を紹介したいと思います。

司書にならなくても、図書館情報学は社会で役に立つ!

oscillographさんは大学で図書館情報学を学び、その内容を社会に出てからも生かしているとのこと。具体的な授業の名を挙げて、それぞれ役立った点を書いています。oscillographさんはこの記事を書いた目的について、以下のように書いています。

この記事の目的は図書館情報学を学んでいる学生の方や、図書館情報学にちょっと興味のある方に対して、ちょっとお先に社会に出ている立場から「(司書にならなくても!)図書館情報学は社会で役に立つので頑張って学んでください!」という応援をすることです。

大学で学んだ図書館情報学で食いっぱぐれずに済んでいる話 - oscillographの日記

確かに、図書館情報学の一端に触れられる時間があったことは、今でも自分の人生を豊かにしてくれているなと感じます。

この学問を勉強していけば「色々な知識(なんなら世の中の全ての知識)を得たい」という欲求に一つの回答を出せるのではないかという期待が膨らんでいったのでした。

知識そのものを学問でき、しかも将来的に司書になって本に囲まれながら働けるかもという淡い期待のもと図書館情報学を学べる大学に入学を決意するのでした。

大学で学んだ図書館情報学で食いっぱぐれずに済んでいる話 - oscillographの日記

私が図書館情報学を好きになった経緯と似ている! 私も「この先司書になれれば」という淡い期待を持って図書館情報学を学ぶことを決めましたが、司書への道は険しく、冒頭に書いた通り断念しています。でも、専門性の高い司書という仕事は、これからもきっとずっと私にとっての憧れなんだと思います。

oscillograph.hateblo.jp

偶然に偶然が重なって、大学図書館職員になった

国立大学法人の大学図書館職員として働く猫に夢さんは、理系科目を使って受験し、大学に合格したとのこと。図書館情報学という文字だけ見るといったい文系なのか理系なのか、なんだか分かりづらいのですが、専攻する内容によっては、データベースの取り扱いやプログラミングなど理系の内容が含まれる場合もあります。

猫に夢さんは、さまざまな偶然が重なって図書館情報学を学び大学図書館職員になったという流れを紹介しながら、自らの学問への向き合い方、就職・キャリアへの考え方をまとめています。

それで、このなかのとくに「情報と知識の性質,情報が生まれ,伝達され,探索され,利用されるまでの過程と情報メディアとの関係」を扱う領域のところが、自分は学問分野として好きって感じです。

化学系の研究者になりたかった高校生が、偶然、大学図書館職員になるまでの話 #図書館職員になるまで - 猫に夢研究所

こちらの一文に、「図書館」単体だけには留まらない、図書館情報学の面白さが表現されているような気がします。

nekoniyume.hatenablog.com

ジャニオタの研究活動は、始めるなら早い方がいい

国会に属する日本で唯一の国立図書館「国立国会図書館」は、国会の活動をサポートするとともに、国内外の資料や情報を収集・保存し、それらを国民に提供する役割を担っています。一見日常生活には関係してこなさそうな図書館ですが、実は過去の雑誌を(諸手続を経て)読みまくれるという、夢のような空間でもあるのです。

その国立国会図書館の使い方を大変分かりやすく、ジャニオタ視点で書いてくださっているのがくさぶえさん。

ジャニオタが国会図書館で何をするんだ
A.  昔の雑誌を読みます。

ジャニオタは国会図書館へ通う - tissue box

「いつでも行けるし逃げるものでもないなら、別にすぐじゃなくてもいいでしょ?」と昨年の私ならこう言ったと思います。違うんです。量がべらぼうに多いから、一回行ったくらいでは全体の一割も読み終わらないんです。

そして一度行ったら最後、すべて読み終わるまで通うしかない、という気になります。始めるなら早いほうがいい――ジャニオタの活動はある種の研究活動なので、このセオリーが適用されるのです。

ジャニオタは国会図書館へ通う - tissue box

嵐、中でも松本潤さんファンだというくさぶえさんは、5時間の滞在でジャニーズJr.時代の松本さんが数々の雑誌の中でどんどん成長していく様子を見て取り、「読みたいものが多すぎて全然読み終わりませんでした」と言っています。収蔵されているアイドル雑誌の数も種類も非常に多いので、1日では到底読み切れないのもうなずけます。

kusabuemmy.hatenablog.com

将来のプリキュア研究家の役に立つために

国立国会図書館には、「図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入することを発行者等に義務づける」納本制度という制度があります。

kasumiさんは、同人誌「プリキュアの数字ブログのほんvol.1」を納本した経緯やその手続きについてまとめています。

一度国会図書館に納本されたものは、

日本国があり続ける限り、
「保管に適した環境の書庫で、可能な限り永く保存し、利用に供される」のです


この先、自分が死んで、このブログも電子の海に沈んだ100年後、200年後の世界。

そんな未来にもきっと「プリキュア」を研究したい、という有望な若者がいるでしょう。

そんな100年先、200年先のプリキュアファンに、ささいな文献を残して、ほんの少しの研究のお手伝いができたら素敵だな、って思います。

国会図書館に、プリキュア同人誌を納本しました。 - プリキュアの数字ブログ

国立国会図書館が続いていく限り、kasumiさんの同人誌は「プリキュア」シリーズを研究する人・したい人にとって役立っていくことでしょう!

prehyou2015.hatenablog.com

本にラベルシールを貼って並べて「自宅本棚の図書館化」

図書館で働くたたたたたさんが本棚を整理しようと、新しく本棚を買い足し、本を収納してみたところ、ばらばらな並べ方にどうしても違和感を持ってしまいます。

そうなんだ。これじゃあ片付いてはいるけれど、本の並びに何の規則性もなくて、「ただ置いてるだけ」 になっちゃってるんだ。これがマジで無理。

一応は図書館で働いている身として、不規則な並びがどうしても受け入れられないよ! 秩序が保たれてないと気が狂いそうなんだ。

自宅の本棚を図書館っぽくしてみようの会 - 浅瀬でぱちゃぱちゃ日和

そこでたたたたたさんは、図書館の図書分類法に従って分類記号を決め、本にラベルシールを貼ってから並べることで、自宅の本棚を「図書館っぽく」することに成功。

しかしその過程は、Excelでの蔵書目録作成、カバーの固定、蔵書印の押印など、一筋縄では行かず……。たたたたたさんのアツい作業工程、ぜひご覧ください。

betweeeeeen.hateblo.jp

毎年の「図書館系はてなブックマーク」が楽しみです

やわとしょさんのブログ「やわらか図書館学」は、「主に大学図書館のデザイン・広報に関するブログです」という説明の通り、大学図書館でのさまざまなシーンや展示に合わせた画像を作成・掲載しています。

記事の中でも特に私が好きなのは、その年の「図書館系はてなブックマーク ベスト100」。毎年恒例のエントリーとして楽しみにしています。2021年版は以下です。本、書評、公共図書館などの話題がまとまっていて、見ているとどんどん時間が溶けていきます。『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(講談社)として書籍化された、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」も入っています。

yawatosho.hateblo.jp

また、はてなブックマークが15周年を迎えた2020年には、図書関係のはてなブックマークが年ごとにまとめられていました。こちらも読み応えたっぷりです!

はてなブックマーク15周年で、過去15年のブックマークを掘り起こすサイトが作られていたので、のっかって図書館系のはてなブックマークを掘り起こしてみました。

図書館系はてなブックマークタイムカプセル - やわらか図書館学

yawatosho.hateblo.jp



ここまでにご紹介したブログ以外にも、図書館を巡るブログの記事はたくさんあります。図書館で借りた本の感想、自分ならではの図書館の使い方、気になる図書館、図書館の時事的な話題などなど、図書館にまつわる記事を書いている方は、ぜひタグ機能を使って「#図書館」のタグをつけてみてください!

この記事の著者の関連情報

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blog.hatenablog.com

*1:「図書館・情報学」と記載する大学もあります。

By 万井綾子
Profile

万井綾子

はてなスタッフ。テレビ制作会社、IT系会社を経て、2008年にはてな入社。広報やマーケティングを担当後、2010年から編集に関わる。好きなはてなのサービスははてなブックマーク。