誰かのラジオの楽しみ方に触れると、ラジオがもっと楽しくなる

週刊はてなブログを運営する「週刊はてなブログ編集部」と、クライアントのオウンドメディア記事を制作する「はてな編集部」が合同でブログを紹介する連載企画「編集部が気になるブログ」。今回ははてな編集部の鈴木が「ラジオの楽しみ方」にまつわるブログを紹介します。

突然ですが皆さん、ラジオはお好きですか?

運転中に、電車やバスでの通勤中に、家事をしながら、眠れぬ夜のお供にも……ラジオは聴き方も、楽しみ方も自由。毎日聴いても、ひさしぶりに聴いても、耳から私たちの心にいつでも寄り添ってくれる存在です。

ラジオの楽しみ方はラジオを飛び出し、番組本やグッズはもちろんのこと、ここ数年は大型会場での番組イベントも珍しいものではなくなってきました。コロナ禍においては、イベントの配信を自宅で視聴する方も多いでしょう。

申し遅れました、はてな編集部の鈴木と申します。入社約1カ月の新参者でございます。『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の前身番組『知ってる?24時。』でラジオに出会い、オールナイトニッポンだけでなく、さまざまな局のラジオを聴いたり聴かなかったりしてきました。

ラジオの楽しみ方がどんどん拡張されている今、私が知りたいのは、皆さんのラジオの楽しみ方です。Twitterのハッシュタグでリスナーの反応を追ったり、イベントレポートを読んだり、グッズを買った人の反応を見たり、そういったこともまたラジオの楽しみ方のひとつだと思っています。

というわけで今回は、ラジオの楽しみ方について書かれているエントリーを集めてみました。ラジオってひとりで聴くのも楽しいけど、人がどんなラジオをどのように楽しんでいるかに触れるのも、楽しいんですよね……。

レジェンドたちのラジオは、あの頃へ連れて行ってくれる

音楽と共に楽しめる爽やかな印象の番組が多いFMラジオですが、最近流行している曲はもちろんのこと、ふと流れてきた懐かしの曲が私たちをあの頃にタイムスリップさせてくれるような場面も多々。

やまばと(id:kikkokun)さんは、『松任谷由実のYuming Chord』(TOKYO FM)をたまたま聴いたときの体験を書かれていました。

あの頃の甘酸っぱい青春の記憶が蘇り、なんとも懐かしく切ない気持ちになる
結婚してから、毎週末、家族で外食に行くときにもよく聞いていたっけ

ユーミンのあの独特な声と語り口は、青春の1ページを思い出させてくれる僕にとってのかけがえのない財産だ

郷愁を誘う ”FM東京” ”ユーミン” - 笑顔で過ごす毎日

匂いもそうですが、音楽って懐かしくて切ない記憶が呼び起こされがち。レジェンドアーティストがパーソナリティを務める番組や、懐かしの名曲が流れてくる番組を聴くと、疲れた日の心に小さな火をともしてくれるような、そんな温かさを感じることがありますね。郷愁を誘う体験も、またラジオの魅力のひとつ。

kikkokun.hatenablog.com

実はパーソナリティに詳しくなくても楽しめる

ラジオの、特に深夜ラジオのイメージって、パーソナリティや番組のさまざまな背景を知らないと、話についていけない感じがありませんか?

実際、内輪ネタは多いし、時にはパーソナリティの友達の話が出てくるなんてこともあるし、長い期間聴いていないとわからない過去のネタが掘り起こされることがあるし、でもそこにリスナー力が試されるというか、聴き続けたり調べたりして追いつくことで、いつの間にやらヘビーリスナーになってしまっているわけで……。

ラジオパーソナリティのすごいところは、内輪ネタっぽい話でも、なんとなく聴いているうちに楽しませてくれるトークスキルがあること。「よくわからないから聴くのやめよう」とならずに「リスナー力、試されてるぜ!」と燃えるような番組は、リスナーを巻き込む(引き入れる)力があると思っています。

たとえばyupoco(id:yupoco_cirrus)さんは、番組をきっかけにハライチさんのファンになったらしいのですが、ハライチさんのファンだからといってお笑いに詳しいわけではないそう。

自分はハライチのラジオのファンになっただけでお笑いファンではないのですが、
こういう普通の人もワハハと楽しく参加(視聴)できるのっていいですよね。

『推しを語る』ということと、ハライチについて。 - yupoco_cirrusのブログ

わかります。そうなんですよ。特にTBSラジオやニッポン放送の深夜番組は、各番組特有の内輪ネタが多いものの、聴いているうちになんとなくそれらを理解できるようになるし、それ以上の情報がなくても理解ができる。

お笑い芸人のラジオを聴くために、お笑いシーンのことを知ろうとしなくても充分楽しめるんです。もちろん、知っていたらそれはそれで楽しいですが、大抵の番組が(おそらく意識的に)狭く薄い話をしているので、常に初心者大歓迎状態です。面白がって、何回か聴き続けられれば、あなたはもうその番組のリスナーです。

yupoco-cirrus.hatenablog.com

番組を支えるリスナーたちの面白さ

ラジオ番組を面白くするのは、パーソナリティやスタッフの方々はもちろんのこと、ハガキやメールを送ってくれるリスナーの方々の力も非常に大切。特に深夜ラジオであれば、コーナーやフリーテーマで投稿をする“職人”と呼ばれる方々の力が試されます。

最近特にラジオにハマっているというmaa(id:maa___22)さんは、『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、そんな職人たちの面白さを感じていました。

他の魅力とは、リスナーからの「投稿コーナー」!深夜に視聴できる番組だからこそ、ちょっと際どい(アウトな?)投稿もあるのですが(笑)全ての投稿に個性があって、発想の豊かさに毎回驚かされます。リスナーの自由な投稿を源さんが面白がっている構図も最高です◎(石田 ゆり子さんに“ブタ野郎”と言わせた回は傑作だったなあ…)”

[>【独り言】ラジオの魅力に引き込まれる日々 - 好きなことを、心の赴くままに。]

パーソナリティやゲストにいかに面白がってもらえるか、一通のネタでパーソナリティのトークをどれだけ引き出せるか。そんな心と力がこもったリスナーの投稿に触れると、グッと番組の魅力に引き込まれちゃうんですよね。

推してる職人さんが採用されて嬉しくなっちゃうなんてことも、ありますよね〜。新しい番組を聴いても、誰が投稿してくるかを楽しみにしちゃったり、するんですよね〜。

maa--22.com

パーソナリティとリスナーの距離感は大事だよね

聴くシチュエーションを問わず、なんとなく聴いても、集中して聴いても楽しめる。冒頭でラジオの魅力を「耳から私たちの心にいつでも寄り添ってくれる存在」と書きましたが、そういう存在としての力があるラジオが、やっぱり長く続きやすいものです(そういう存在でないから早く終わるというわけでもないですが)。

『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)は、レギュラー放送としては(1時台と3時台を行ったり来たりしているものの)今年で8年目となる長寿番組。

この番組は、深夜ラジオの中でも特に「実のある話がない」番組といえます。これは面白くないという意味ではまったくなく、なんでもない身近な話をしてくれるからこそ、どんなときでも聴きやすいところがあるということ。だって、番組イベントで5000人キャパの東京国際フォーラム ホールAをいっぱいにするんですから。

彼らのラジオの魅力を、晃広(id:nocafein)さんはさらにこう語ります。

隙が多いというのは、2人の言動に対してリスナーがツッコミを入れやすかったり、気軽に批判できたりするようなミスが多々あるということだ。

ツッコミや批判が安易にできるということは、リスナーが三四郎に対してマウントをとれるということで、それはまた、リスナーと三四郎の距離が近いことを意味する。

ラジオの醍醐味は、パーソナリティがあたかも自分に話しかけているような、そんな距離の近さ、親近感にあると思うので、そのような点で、三四郎の番組はまさにラジオに適した放送をしているといえる。

[>クソ回あったって何故か聴きたくなる!三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)の魅力を考える - ハイハイで散歩中]

これはけっして、三四郎さんのラジオがつまらないとか、おふたりのやる気がなさすぎるとか、そういうわけではなく(たぶん)、この番組はリスナーから「放課後の教室で、ちょっと面白い話をしているのを、離れたところで盗み聞いている感じ」のように例えられることがあるのですが、そもそも三四郎のおふたりは中学の同級生同士コンビであり、このラジオは本当にその延長にあるようなトークとなっているわけです。

晃広さんのこのエントリーは、引用した箇所以外にも、全体を通して『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』の魅力を感じられる名文が書かれているので、ぜひ読んでいただきたいです。納得感がすごい。

www.teheperow.com

ラジオイベントのレポートを読むのが楽しすぎるよ

冒頭でもお話ししたように、最近はラジオ番組単体での大型イベントも珍しくありません。

そんななか、2022年10月29日(土)に、キャパ1万人以上もの規模を誇る横浜アリーナで、アーティストでも、芸人でもない、脱サラおじさんがイベントを成功させました。その名も『オールナイトニッポン55周年記念 佐久間宣行のオールナイトニッポン0 presents ドリームエンターテインメントライブ in 横浜アリーナ』。

テレビ東京でバラエティ番組のプロデューサーをしていた佐久間さんが、テレビ局在籍時から続けている『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』。放送4年目に突入し、これまでにもいくつかのファンイベントを開催してきた番組ですが、今回はちょっと、規模が違う。本当に成功するのか? おじさんを見るために(今回はゲストも多いが)、1万人以上が横浜アリーナに……?

と思いつつ、イベントは大成功を納め、会場に足を運んだリスナーたちの興奮のレポートがたくさん見られました。なかでも、当日の模様を会場到着前後の旅の様子も含めて記録してくれている村野玉露(id:bagpipe_ps)さんのエントリーの読み応えがすごい!

イベント当日や翌日に横浜周辺のレジャーを楽しみ尽くした上で、イベントも大いに堪能している様子がうかがえます。また、イベント明け最初の放送回についてまで言及されており、番組ファンにはたまらないエントリーとなっていました。

「ドリームエンタメラジオ」という言葉を半分ネタ的に解釈していた自分ですが、ジャンル関係なくいろんなエンタメを摂取して発信している佐久間さんだからこそできた、出演者のジャンルもごちゃ混ぜながら楽しいお祭りとなったイベントだったなと。ドリームエンタメラジオという言葉は嘘ではなかったね、いやほんと次回もあったら是非現地で観たい。そしてCreepy Nutsでいうキモイベの方も観たい!

[>佐久間宣行ANN0ドリエンライブ参戦とそれに伴う旅行の記録 - 遠まわりは手短に]

この番組は「ドリームエンタメラジオ」と公式に標榜しており、それはありとあらゆるエンタメ作品を摂取しているパーソナリティの佐久間さんが、番組内でその感想を踏まえてトークすることに由来しているのですが、今回のイベントは彼単独ではなく、番組内で何度も言及されてきた思い入れのあるアーティストたちを集めた「ドリームエンターテインメントライブ」。

どんなイベントになるのか想像もついていませんでしたが、佐久間さん×音楽ライブの形が成功していたことを見届け、満足したファンならではのコメントに納得です。現地で観たかった! エントリー全体の内容も読んで気持ちが高まったので、次回もしあったら絶対に行くぞという気持ちになりました。

muranogyokuro.hateblo.jp

いろんな人のラジオの楽しみ方に触れると、ラジオってやっぱりいいものだなという気持ちになります。もしあまりラジオを聴いたことがない方がここまで読んでくれたなら、過去の放送はradiko(放送から1週間)やSpotify(いつでも)などで聴くことができるので、ぜひ試しにラジオの世界に足を踏み入れていただけたらと思います。

みんな、ラジオ聴いていこうな!

By 鈴木 梢
Profile

鈴木 梢

2022年入社。オウンドメディアの編集をしています。