拉麺を読み、店へでかけよ

週刊はてなブログを運営する「週刊はてなブログ編集部」と、クライアントのオウンドメディア記事を制作する「はてな編集部」が合同でブログを紹介する連載企画「編集部が気になるブログ」。今回ははてな編集部の田坂が「ラーメン」にまつわるブログを紹介します。

編集の田坂です。毎日でも食べられたラーメンを、加齢とともに医者の勧めで最近週に1回ほどに抑えています。

さて、ラーメン店を含めた飲食店に「点数」がつく世の中になってはや10数年。世の中には大量の食の情報が増え、美味しいと評判のお店をいとも簡単に教えてくれます(インターネットすごい!)。

だけど数値という定量化されたものだけ見ても、なんだかグッとこない。もちろん点数サイトを参考にすることも多々ありますが、本来自分の中にある食べたいという欲求を点数だけで刺激されることに、何か物足りなさを私は感じてしまいます。

人間の顔をした情報を知りたい。お店に行った体験やストーリー、お客さんや店主の様子、自分が推している理由を言葉(文章)で摂取したいんです。

こうして摂取された情報は内面化され、血肉のように私の中に残ります。自分の嗜好に合いそうか想像するのも楽しく、単純にお腹が空いてきます。そんな読み物を通して「絶対に行こう!」という気持ちが醸成されていきます。

私がお店を調べるときに読みがちなのが、Google マップの口コミコメントと、個々の体験が集積する「はてなブログ」です。

今回は、ラーメンを食べたくなったら思わず見てしまう「ラーメンブログ」を目的別で紹介します。

こってり、ガッツリ系のラーメンを喰らいたい人向け

Image: ラーメン二郎 一橋学園店 『大豚』 - フロムムサシノ

二郎系や家系など一心不乱にパンチのあるラーメンをガッツリ食べたい日には、ケイキリヲさん(id:standaloneramenjiro)のブログ「フロムムサシノ」を読んでからテンションを上げて行きたい。

俺は小窓をノックした。朝8時半。すでに2時間が経過した整理券配布から、俺は1時間半の遅れをとった。整理券に書かれた時刻は13:30〜。
(中略)
台風の昼間だっていうのにすっかり静けさを取り戻した一橋学園。

眠らずに昼が来てふらつきながら帰る俺。

俺のライジングサンは始まってくれるのか。

やれんのか。

山岡家稲穂店の代わりを務められんのか。

答えは有り余る麺量とブタの質量で返ってきたのであった。

こ、

こ、

こ、これは!?!?!?

ラーメン二郎 一橋学園店 『大豚』 - フロムムサシノ
Image: ラーメン二郎 一橋学園店 『大豚』 - フロムムサシノ

向井秀徳よろしく武骨な文章。いや、ストリートで育ったラッパーがくりだすDOPEなリリックのようとでも言うべきか。筆者の言葉と画像のパンチラインが私のお腹を刺激して思わずビートが鳴ってしまいます。これを見てしまった日は必ず、二郎系などガッツリとしたラーメンを一心不乱に平らげたくなる。そんなブログです。

どんなラーメンが食べたいか迷っている人向け

今日は「ラーメンを食べる!」と決めたけど、「淡麗あっさり系にしようか?いや濃厚煮干し系の気分かも?」みたいに悩んでしまうことありませんか? 私はあります。そんな時は決まってとまそんさん(id:TOMASSOON)のブログ「ラーメン食べて詠います」をディグります。

圧巻のラーメン紹介数を誇るブログで、その数なんと約5100杯(2023年1月現在)!!! 紹介するラーメンの系統も多岐に渡り、カテゴリーも細分化されて探しやすく、ラーメン図書館としてお世話になっています。

Image: 【今週のラーメン5089】一番だしラーメン しんせん(東京・西調布)特製煮干しそば 白 +牡蠣の和え玉 〜西調布に名店爆誕!出汁と麺と肉の質感どれも三つ巴!激しくオススメ! - ラーメン食べて詠います

麺やスープはもちろん、ほぼ全ての具材まで丁寧に解説・撮影されているので頭の中で味が想像しやすく、読んでいるだけでもお腹が空いてしまいます。

釜焼のような強い香ばしさ!ロースと感じますが、少し食紅まじりの焼き目が異様に美味い!釜焼を彷彿する燻しのような香りが少し漂うのです。こういうのは、少し歯応えがあった方が美味く感じるが、その程度加減も抜群。肉の端っこ部分は、少し飴色に輝く上に、その香ばしさがとても重厚!。下味にハーブ感すら覚えます。思わず酒を欲するほどです。

【今週のラーメン5089】一番だしラーメン しんせん(東京・西調布)特製煮干しそば 白 +牡蠣の和え玉 〜西調布に名店爆誕!出汁と麺と肉の質感どれも三つ巴!激しくオススメ! - ラーメン食べて詠います

その膨大なアーカイブを参考に、私はちょっと変わったラーメンや冷やし中華(2023年1月時点で280杯も紹介!!)を食べたいときにも利用させてもらっています。

Image: 【今週のラーメン5089】一番だしラーメン しんせん(東京・西調布)特製煮干しそば 白 +牡蠣の和え玉 〜西調布に名店爆誕!出汁と麺と肉の質感どれも三つ巴!激しくオススメ! - ラーメン食べて詠います

あなたの食べたい一杯が必ずや見つかるブログだと思います。

旅先でうまい店を知りたい人向け

旅行での楽しみはなんといってもグルメですね。無論ラーメン店には必ず行きたい! 私は旅前に目ぼしいお店を見つけておきたいのでブログとGoogle マップのコメントをチェックしています。

東北地方に行く前にラーメンテンションを上げてくれるのが、harusakikaiさん(id:harusakikai)のブログ「主にラーメン こってり系からあっさり系まで」です。

私にとって旅先でひときわ魅力的に感じてしまうものの一つに「町中華」があります。地元の空気感を感じられるからなのでしょう、味わい深い地元の中華屋さんにとにかく行きたい。ただ、知らない町の味わい深い中華屋さんに入るのはちょっぴり勇気がいります。

Image: 『麺屋 美麓(びろく)』「ちゃんぽん+半チャーハン、赤ラーメン」岩手県雫石町 - 主にラーメン こってり系からあっさり系まで


主にラーメン こってり系からあっさり系まで」では「街中華/食堂」のカテゴリーがあるので、東北地方(岩手・秋田・青森)の魅力的な町中華が探しやすく、ありがたく拝見しています。もちろんラーメン以外にも、チャーハン、餃子、カタ焼きそば、ちゃんぽんなどの中華メニューが紹介されており、もうたまりませんね。ここを見ておけば、安心して地元の町中華が堪能できるはず。東北へ足を伸ばす際は必見です。

家系LOVER向け

家系*1が好きだ。まっすぐな眼で横浜の方角を向いて伝えたい。私は家系が好きだ。太くて食べ応えのある麺やパンチの効いた豚骨醤油のスープはもちろん、スープでひたひたにした海苔で、漬物や豆板醤を乗せたライスを巻いて食す快感は筆舌に尽くしがたいです。

最後に紹介したいのが、家系にぞっこんな私と志を共にするあなたに読んでもらいたい家系ラーメンマンさん(id:iekei_ramenman)のブログ 「家系ラーメンマン」。

Image: 六角家姉妹店「洞くつ家」のチャーシューメンとごはん@吉祥寺 - 家系ラーメンマン

家系ラーメン店をなんと約400店舗(2023年1月現在)も紹介する家系好き垂涎のブログです。店舗の所在地から店内の様子を写真とテキストで丁寧に説明されており、家系には欠かせない卓上調味料の情報もしっかりと記載されています。

さらに家系LOVERにとってはありがたい「家系図」についても言及されており、どの店の系譜を引き継いでいるのかが一目瞭然。「あの店の子だったら行ってみたい!」など家系あるあるの楽しみ方も捗ります。

スープと麺、チャーシューについての味の説明はもちろん、個人的にこのブログ記事一番の見どころは、「海苔をライスで巻いて食べる」場面です。そのようにライスを味わうのかは、家系ラーメンの醍醐味のひとつですが毎回喉がなってしまう素晴らしいレポートです。

Image: 六角家姉妹店「洞くつ家」のチャーシューメンとごはん@吉祥寺 - 家系ラーメンマン

もうだめだ、早く巻きたい! 胡椒と胡麻をごはんに振ってヒタヒタの海苔やチャーシューで巻いて食べたい!! 家系好きな諸君、たまりませんよね。前述した通り、半端ない量の家系がアーカイブされているので、是非参考にしてみてください。

ちなみに私が最も好きなラーメン店は、上記で家系ラーメンマンさんも紹介している「ラーメン洞くつ屋」です。この店の特徴は家系特有のパンチのある味にもかかわらず、他の家系店にはない「そこはかとなく優しさを感じられるスープ」だと。どれくらい優しいのかと言うと、お酒を飲んだ後の締めでも、朝一でも*2雨の日だって風の日だって、好きな人にフラれた日でも、いつだってその優しさを目当てに約20年通い続けられるくらい優しいのです。あなたにとって特別な一杯はどこのラーメンでしょうか? 是非ブログでつづってみてください!

こちらで紹介した以外にもまだまだ「はてなブログ」には素晴らしいラーメンブログがたくさんあります。あなたにとって最高の一杯をブログで見つけてみてください。

*1:家系ラーメン(いえけいラーメン)あるいは横浜家系ラーメン(よこはまいえけいラーメン)は、1974年創業の「吉村家」(神奈川県横浜市)を源流とするラーメン店の店舗群、或いは「吉村家」に類似する濃厚な豚骨醤油ラーメンのジャンルを指す名称(Wikipediaより)

*2:朝ラーメンを提供しているお店です

By 田坂
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田坂

何でもやります。