底なしの“愛”が詰まった『悪友』『浪費図鑑』の作り方 劇団雌猫・もぐもぐさん&ひらりささんに聞く

※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

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──これは「浪費」ではなく「愛」なのです。

そんな印象的な一文が帯を飾った書籍『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』(小学館)。アイドル、若手俳優、コスメなど、さまざまなジャンルで愛とお金を注ぐ女性たちの浪費事情が、それぞれの熱い思いとともにつづられている1冊です。手掛けたのは、ネットで知り合った仲間で結成した「劇団雌猫」の4人。週刊はてなブログ編集部は、劇団雌猫のメンバーでありはてなブロガーでもある、もぐもぐ(id:haruna26 写真左)さん、ひらりさ(id:zerokkuma1 写真右)さんにお会いし、『浪費図鑑』のベースでありTwitterなどで話題になった同人誌『悪友』の作り方や、書籍の出版に至った背景、今後の展開について伺いしました。記事の最後では、書籍の読者プレゼント情報も用意しています!

(取材・構成:はてなブログ編集部)

編集会議はグループLINEで 同人誌『悪友』の作り方

── 「劇団雌猫」メンバー4人それぞれの出会いは何がきっかけだったんですか?

もぐもぐ 私が最初に出会ったのはひらりささんで、社会人1年目くらいのときにネットで知り合いました。ユッケさんはジャニオタ(ジャニーズファン)なんですけど、ちょうどジャニーズを勉強しようと思っていたときに読んだ当時のユッケさんのブログがすごく面白くて、「友だちになってください」とメッセージを送ったのがきっかけです。かんさんはNMB48のファンで、私もAKBグループが好きだったので、Twitterでつながりました。

── もともと、もぐもぐさんが3人と知り合いだったんですね。

もぐもぐ そうですね。それから、ひらりささんにユッケさんとかんさんをそれぞれ紹介して。

ひらりさ その後に私が「ユッケさんとかんさんが出会うと面白いかも」って思って、実際に2人を会わせました。

── 「劇団雌猫」が結成されたのはいつだったんでしょうか?

ひらりさ 4人でよく遊ぶようになった2014年ですね。

もぐもぐ 「劇団雌猫」という名前も、本当は私たち4人のグループLINEの名前だったんです。

ひらりさ きっかけは、みんなで行ったミュージカル『テニスの王子様』のライブでした。劇中に登場する跡部様(跡部景吾)が観客を「雌猫」と煽るのを見て、跡部様はすごい、私たちも人をこんなふうに盛り上げていきたい!と騒いで、勢いでグループLINEの名前を「劇団雌猫」に変えた(笑)。でもまさか本当にこの名前で書籍を出すとは思わなかったです。

── 目的があって4人が集まった、というわけではなかったんですね。

もぐもぐ 全然なかったですね。みんな好きなものが違うので、会う度に4人で「今何見てるの?」って盛り上がるんですけど、話を聞いて「分かる」というのもあれば「まったく分からない」というのもあるんです。それがすごく面白くて、だんだん積み重なって、自然と何かやりたくなったというのはあるかもしれません。

──『浪費図鑑』のベースに当たる同人誌『悪友』はどういう経緯でできたんでしょうか。

ひらりさ 4人で集まったときに、たまたま「同人誌、作りたいね」という話になったんです。みんな過去に同人誌を作っていた経験があったので、この4人で「友情の証」みたいなものを作っておきたいよね、と(笑)。

── そうして生まれた同人誌『悪友』の1冊目は「浪費」をテーマにしたものでした。このテーマは、同人誌を作ろうと思ったときから決まっていましたか?


『悪友』vol.1 浪費

ひらりさ 最初は決まってなくて、いろいろなテーマ案を出しあっていました。具体的に話が動き出したのは、ふとしたときに4人で今の貯金額について語ったときですね。

もぐもぐ 私たちはネットで知り合った同世代のオタクとして仲良くなったけど、何度か集まると、だんだん仕事や恋愛の話もするようになったんです。そうすると、何かを追いかけている人の背景にあるものがお互いに気になり始めて。でも私たち4人だけじゃなくて、他の人の背景も知りたいよね、という話になって、いろいろな人に声をかけて寄稿してもらうことにしたんです。そうして生まれたのが「vol.1 浪費」でした。

オタクコンテンツの話は、もういろいろなところで語り尽くされていますよね。でも、友達同士で深酒しないと出てこないような、まだ語られていないような話を暴いていくと、もっと面白い内容になるんじゃないかなって。私たちはたまたま違うジャンルが好きだったので、同人誌でも特定のジャンルに絞らず人を集めたほうが今は目新しく映ると思いました。

ひらりさ 収録されている話は、世間に出ると「オタク」という一枚岩で見られがちなものかもしれないけど、実はそれぞれ違うことを考えているんだというのを見せたい気持ちはありました。


『悪友』DX 美意識/『悪友』vol.2 恋愛

もぐもぐ それこそ最初は興味本位だったし、楽しい話や知らない話が出てきたらいいなって思ってたんですけど、まとまったものを1冊読むと「エモい……人生じゃん……」って胸が熱くなるような物語が見えたんです。これは最初から狙っていたわけじゃなく、作って初めて気付きました。内容も、こういうコンセプトだから何か1つの思想にまとまらなくてもいいし、「分からない」と感じたものも入れました。私たちには分からない世界でも響く人がいるかもしれないし、こういう考えがあってもいいよね、と。

── そんな同人誌『悪友』ですが、書き手はどのように見つけるんでしょうか?

もぐもぐ 普段見ているTwitterやブログを読んで気になっていた人に声を掛けました。こういう話ほしいね、というのは4人で相談しています。

普段あまり長文を書いていない人にも頼んで、最初は「ちょっと不安です」って返ってくるんですけど、「だいたい10ツイートくらい書けば出来上がります」と説明して(笑)。普段のツイートが面白いから、ブログをやっていない人でも長文を書けば絶対に面白いと思ったんです。「vol.1 浪費」の感想で「みんな文章が上手くてびっくりした」というのがあって、私たちもそう思ってるんですけど、長文を書くのに慣れている人ばかりを選んだわけではないんです。

── 4人での編集会議はどうやって進めているんですか?

ひらりさ グループLINEで話しつつ、1つのスプレッドシートに4人それぞれ寄稿をお願いしたい人を記入していくという形です。

── 対面で話し合うのではなく、スプレッドシートでまとめていくんですね。

もぐもぐ 真面目なことは会って話さないほうがいいと途中で気付いたんです(笑)。顔を合わせて飲んでいても「詳細は帰ってからLINEで」って。

ひらりさ カフェで打ち合わせとかじゃなく、基本的に飲みながら話して、ぱっと出てくるアイデアをグループLINEでちゃんと詰めていく感じです。

もぐもぐ LINEだと常にログが残るので、何の話をしていたかきちんと把握できるんです。

ひらりさ あとは、途中で意見が分かれても最終的にはみんなで合意して進めるようにしています。そのジャンルに詳しいメンバーの意見をとる場合もありますね。基本的に同人誌なので、編集そのものも楽しくやるのが一番です。

同人誌頒布から2カ月で舞い込んだ、数社からの書籍化依頼

── 『悪友』は別冊も合わせると3冊出ていますが、ついには書籍化までされました。最初の「vol.1 浪費」を作ったときに、書籍化は想定していましたか?


『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』(小学館)

もぐもぐ 全然していませんでした。2016年12月のコミックマーケットで初めて『悪友』を販売したときも思った以上に早く売り切れて、通販でも予想を超えた売れ行きでびっくりしました。通販は売り切れるたびに頑張って補充をしているので、欲しい人にはだいぶ行き渡ったかなと……。自分自身がオタク活動をしているせいか、限定販売が嫌で(笑)。

── ここまで売れた理由は何だったんでしょうか。

ひらりさ 目次を載せたツイートがすごく伸びたんです。あとは、アンケートの結果をもぐもぐさんのブログに載せていたんですが、これも注目されていました。

もぐもぐ アンケート結果を事前にブログで発表したのは、やっぱり「自分はネットで育った人間だ」というのが中心にあったからかもしれません。メンバーともネットで出会ったし、スタートはこっちにあると思ったので。

mogmog.hateblo.jp

── こうしてネット上で『悪友』が話題を呼び、出版社の目に留まりました。書籍化のお声掛けがあったのは、いつごろですか?

ひらりさ 2017年2月くらいですね。書籍化の依頼って本当にくるんだ、ってびっくりしました。

もぐもぐ 「vol.1 浪費」の書籍版に当たる『浪費図鑑』は小学館さんから出したのですが、実は他社からもいくつかお声掛けがあったんです。最初に依頼があったときは「これ本にして売れるのかな?」って不安で。「大丈夫ですかね……?」って弱気な返事をしたのを覚えています。

編集作業は同人誌版とほとんど変わらなくて、4人で飲んだ後に「じゃあ、あとはLINEで」というパターンです。編集そのものは小学館さんの手も入っていますが、基本的に私たちで自由にやらせてもらいました。カバーイラストを描いてくれたマンガ家の米代恭さんも、あちこちに遊び心を入れてくれて……。舞台ファンが持ってるチケットがローチケやイープラス風のデザインだったり、宝塚ファンにはおなじみのすみれ色のショップ袋を持っていたり。それぞれファンの方にも気付いてもらえたようでうれしかったです。

── Twitterでは、こうした細かい部分にも反応している感想が見受けられました。また、同人誌版も書籍版も、いわゆる「浪費される側」にいる方が手に取って読んでいたのが印象的です。

ひらりさ 書籍版の帯にコメントを寄せてくれたミュージシャンの菊地成孔さんも、有料メルマガやトークイベントで同人誌版を紹介してくださっていたようなんです。どういう経緯で手に入れたのかは分からないのですが……。

もぐもぐ アーティストの澤部渡さんも同人誌版の表紙をInstagramに上げてくれていたり……。

ひらりさ そういう意味では“インスタ映え”する同人誌なのかもしれないですね。

もぐもぐ インスタ映え!(笑)

ひらりさ 書籍版も「#浪費図鑑」を添えてInstagramに投稿してくれている人がいて。はてなブログで感想を書いてくれている人も多かったですね。

── こうしたネットでの反響はどう受け止めましたか?

もぐもぐ 感想を書いてくれるの、すごくうれしいです。書籍版をきっかけに自分の浪費についてブログで語っている方もいて、読んでいて楽しいです。小学館さんも「反応がたくさんあっていいですね」と言ってくださって。私たちにとってスタートはネットだったけど、やりたいと思ったことが書籍として形になって、そこから生まれたものがまたネットに戻ってくる……という循環も面白いなって思いながら見ています。

blog.hatena.ne.jp

いろいろな人の愛のるつぼになれる場所を作りたい 「劇団雌猫」の今後のこと

── 活動内容として、今ではトークイベントなども増えていますね。

もぐもぐ 私たちが何か話したいというよりは、誰かの熱い話を聞くのが楽しいんです。読者の方もきっと同じで、だから客席とステージ上の私たちが興味を共有するトークイベントは『悪友』や『浪費図鑑』と相性がよかったのかもしれません。

ひらりさ 新宿のバーでトークイベントとはまた違う「Bar劇団雌猫」をやったときは、その場で知り合った女性同士が仲良くなって、一緒に遊びにも行ったそうなんです。話が合う人と出会える場としても機能していました。

mesuneko.hatenablog.com

もぐもぐ あと、イベントでは毎回「浪費の勲章交換ボックス」を置いているんですけど、これは女子アイドルファンの文化から持ってきたものです。アイドルファンはCDをたくさん買うので、どんどん手元にCDが溜まっていくんですよね。なので、ファン主催の「CD交換会」というイベントで交換ボックスにCDを入れておくんです。そこで違うアイドルのファンと会話が生まれることもあって、それがすごく楽しくて……。似たものをやりたいと思って最初のイベントで実行したら、すごく盛り上がりました。

ひらりさ 2回目以降は「○○くんの推せるポイント」「このアルバムのここが聞きどころ」なんかを書いた自作のポップやペーパーを用意してくれる人も出てきてさらに盛り上がっていました。みんな愛がすごい!

もぐもぐ こうした熱量のあるものを作ってもらえるのはすごくうれしかったですし、いろいろな人の「愛のるつぼ」を作りたいなってあらためて思いました。みんながそれぞれ好きなものの話をしていて、お互いに興味を持ち合っている空間ってすごくいいな、って。

── 同人誌にイベント、これからも楽しみにしています。最後に、劇団雌猫の今後の活動について教えてください。

ひらりさ 現在は冬コミに向けて、『悪友』vol.3の編集をしています。テーマは「東京」です。

といっても、東京出身・東京在住のオタクが語るということではなく、外から見た東京、中から見た東京、東京以外、全て含めてのこのテーマです。すでにほとんどの寄稿が集まったところなのですが、何度も読み返してます。

早く読者の方にも届けたいけど、ないしょ話のままにしておきたい感情が詰まっているというか……。今までの3冊と違って、目次でドーンとインパクトがあるものではないかなと思っていますが、だからこそぜひ現物を手にとっていただきたいですね。今回こそ、冬コミに受からないと(笑)。

もぐもぐ そうだね、コミケ初出展したいね(笑)。

11月15日(水)には、これまでと少し趣向を変えたイベント「よいこのK-POP」を開催します。『悪友』シリーズと『浪費図鑑』を作る中で知らなかったジャンルにもまた興味が湧いたので、せっかくならみんなで勉強しよう!という会です。今は準備中ですが、これも本当に楽しみ。知識ゼロの方も、客席から好きなグループの話をしたい!という方もウェルカムです。

tcc.nifty.com

去年の今ごろは同人誌の形すらなかったので、たった1年でいろいろあったなぁ……とびっくりです。まだまだやりたいことがたくさんあるので、引き続き楽しくやっていきます!

── ありがとうございました!


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週刊はてなブログでは、『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』を抽選で5名様にプレゼントします。詳細は以下の応募要項をご覧ください。たくさんのご応募、お待ちしています!

応募要項

応募期間 2017年10月17日(火)~2017年10月23日(月)午後11時59分
賞品・当選者数 『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』を5名様
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発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。

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