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何はともあれ生きていく 発達障害と「生存」についてつづった、借金玉さんの書籍発売インタビュー

※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術

大学生の頃にADHD(注意欠陥・多動性障害)の診断を受けた借金玉(id:syakkin_dama)さん。社会人生活や起業での失敗を経験し、自身の抱える問題と向き合ったことで、自分なりのペースで少しずつ成長していく術を身につけたといいます。

Twitterで情報を発信していくうちに、出版社から「書籍化を目指して、ブログを始めてみないか」という声が掛かったのが2017年1月。その後、同年2月にはてなブログ「発達障害就労日誌」が公開されました。

syakkin-dama.hatenablog.com

発達障害を持つ人たちが「社会の中で何はともあれ生きていく、可能な人は働いて生きていく」ことをテーマに、当事者だからこそ語れる“ライフハック”を発信し続けて約1年3カ月。いよいよ初の書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(KADOKAWA)が、2018年5月25日に発売されました。

はてなブログ編集部では、借金玉さんにメールインタビューを実施。書籍化の背景や、本に込めた思い、おすすめの章などをお聞きしました。記事の最後には、書籍を抽選でプレゼントするキャンペーン情報も用意しています。

借金玉さんに聞く、書籍発売の裏側

── 書籍化に至った背景を、あらためて教えてください。

Twitterをとにかくやっていたら「書籍化を目指してブログをやってみないか」とKADOKAWAさんから声が掛かりました。

このときは、起業した会社を倒産させてしまった後に始めた会社員生活が軌道に乗り始め、鬱の底から這い出そうとしていた時期でした。また「なんで前まではこんなことが出来なかったんだろう」と感じ始めた時期でもありましたし、一度はサラリーマンになり、起業して社長になった後、再びサラリーマンになったということで、仕事の中で「これはこういうことか!」という発見が多い時期でもありました。

これまで分からなかったことが分かる。気力も何もかもズタボロなのに、それだけで二度目のサラリーマン生活は妙に円満でした。その一方、30歳を過ぎて全くの異業種からの再出発ということもあり、人生の目標や希望を完全に見失っていた時期でもあったと思います。会社に通って仕事をして、あとは他に何をする気力も起こらないのでTwitterをやる。そんな日々を送っていました。

そんなときにKADOKAWAさんからお話をいただき、幸いにも書籍化が実現したという流れです。正直「人生に見切りをつけるか」とでもいうべき気持ちが強かった時期でしたが、目標をいただけたことに感謝しています。その後のことは、本当に望外の極みとしか言えません。

── Twitter・ブログ・書籍で情報を発信することについて、それぞれ意識したことや違いはありましたか?

ブログ以前は何も意識していなかったと思います。基本的にTwitterは「書きたいことを書く」でやってきました。

もともと、友人を作ったり人脈を広げたりするつもりも一切なく、正直に言えば「言いたいことを言いたいだけ言うための場所が欲しい」というのがTwitterを始めた動機です。「それは違うだろう」と感じたことを批判したり、日々思いついたことを喋ったりしていました。生活の中で抑圧的に感じていることは多かったので、「ありのままの自分で語る」場所を求めていたのだと思います。

ブログを始めてからは、「書籍化を実現する」とか「ブログの人気を出す」とか「お金を儲ける」みたいなことを、あまり意識しないように努めました。もともと「人生を上手にやれる人」ではないし、むしろ「人生の下手さ」を愚直に書くことで、読み手に興味を持ってもらえたのだと思います。平たく言えば「まともな人」を演じるのだけは避けようと思いました。できないことはやらないのが一番ですし、それでダメならダメなんだろうな、と。

ブログが書籍化する可能性があるということで、いわゆる「なんとなく常識的なこと、マスに受けそうなことを書いた方が良いのか?」という葛藤は自分でもあったと思います。でも、それで書籍化したとしても、たぶん僕自身がその姿勢を続けられません。なので、ただひたすら「書くべきだと思うことを書く」に努めました。ブログ記事も「人気になるぞ」という気持ちをなるべく持たず、自分が大事だと思っていることを書きました。これからもきっとそうだと思います。

会社では「上手くやる」を大事にしていますが、書く上では「自分がお客様に伝えたいこと」をまっすぐに書くというのがすべてです。

── ブログを書いていて、印象的だったことがあれば教えてください。

日々いただく応援コメントは本当に励みでした。僕はモチベーションの維持がとても難しい人間なので、書いたもののリアクションが即座に返ってくるブログという媒体は、僕にとても向いていたのだと思います。いただいた感想には本当に感謝しています。たぶん、それがなかったら僕は書き続けることができなかったでしょう。

一方で、嫌がらせや中傷もたくさんありました。もちろん、中には正当な批判もありましたけれど。やはり、何かを書いて多くの人の目に晒されれば、そういうことは必然的に起こります。精神的にも削られることが多かったです。

その中で際立って思ったのは、「発達障害者」として書くことはリスクが高いということです。結局「発達障害者が大きな声で喋る」ということ自体が、ある種のヘイトを招くというのはあると思います。

僕が闘争的な人間なのが悪いのかな、と思うところもありますが、同時期に発達障害者として語っていた皆さん(その中に、僕より闘争的な人はいなかったと思います)も同様の苦労をしているのを知って、これはつらいなと思いました。だから僕は「発達障害者として書くなら、個人情報の管理だけは徹底した方が良い」と最近はよく呟いています。僕自身にも、犯罪と呼ぶべき嫌がらせが多々ありましたから。

それでも、やはり一生懸命書けば応援してくれる人は出てきますし、僕は全く絶望していません。これからも書き続けようと思います。

── 著書を特に読んでほしい人と、おすすめの章(ページ)があれば教えてください。

実用面では技術論のパートが役に立つかと思うのですが、やはり最終章の「生存」が僕にとっては最も重要です。

「発達障害者のライフハック本」として書籍を出すと、「発達障害者よ、働け」とでも言うべき圧力になるのでは、という批判はずっとありました。僕のブログを「発達障害者を殺すもの」と評した人さえいました。人生の中で、あれより怒りに燃えたことはそれほどありません。

何度も繰り返していることですが、僕は「働け」というメッセージを発したいとは一切思っていません。「まずは生き残ろう」がブログの、あるいは書籍の根幹を成す内容です。

僕自身、希死念慮(死にたいと思う気持ち)に苛まれてきた人間でもありますし、生きる希望がどこにも見当たらなかったことも多々ありました。きっとそれは、多くの人にとってそうだと思います。でも、できれば……なるべく生きよう。そんな思いを抱いている人に読んでもらいたいです。この書籍が、少しでも誰かの手助けになるのであれば、これ以上に幸せなことはないと思っています。

僕の幾人かの友人も、精神を病んで死んでいきました。「人は生きるべきだ」なんて僕には言えません。死んだ友人を責めたくもないです。でも「生きる価値に根拠はいらない、あなたは生きて良い、だから僕も生きさせてください」と言うことはできる。書籍の一番大事なメッセージは、そういうところです。そして、それは僕自身のためのものでもあります。

これからも、きっといろいろなことがあると思いますし、また希死念慮に取りつかれることもあるんだろうな、と正直思います。でも「(書籍の中で)あれを言ったらもう死ぬわけにはいかないよな」という気持ちもあるので、それは何よりもありがたいです。

── 書籍の出版を目指しているブロガーにメッセージをお願いします。

著者自身がインターネットに露出して書籍を販売することにはいろいろな意見がありますが、「良いものを書けば読んでもらえる」という点に関して、インターネットはとても優れた媒体だと思います。

パソコン1台とネット回線1本から広がる可能性はとても広く、そしてインターネットにはいろいろな意味で「良いもの」を探している人たちがたくさんいます。僕は不器用な人間なので「書籍を出すため」と言いつつ、純粋に自分の書きたいことを書き連ねましたが、「書籍を出すため」にインターネットで発表するのも全然アリだと思います。結果、面白い本が出来上がればそれは良いことですし。

書きたいことがあるなら書いた方がもちろん良いし、それはきっと誰かが読んでくれると思います。

今、インターネットはさまざまな文化が渦を巻いています。この渦は、きっとこれからさらに大きくなるでしょう。対立もあればいさかいもありますが、それらをひっくるめて、僕は基本的にこの渦を「良いもの」だと思っています。いろいろなことがあったけれど、そこに飛び込んでみるのは、少なくとも僕にとってはとても良い体験でした。

これまでは評価される場所さえなかったコンテンツが、社会からはぐれていた人たちが、どんどん評価されていくと思います。お互い、やっていきましょう。

週刊はてなブログでは、今回紹介した『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を抽選で3名様にプレゼントします。詳細は以下の応募要項をご覧ください。たくさんのご応募、お待ちしています!

発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

応募要項

応募期間 2018年6月18日(月)~2018年6月24日(日)午後11時59分
賞品・当選者数 『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を3名様
応募方法 ・Twitterで@hatenablogをフォロー。
こちらの告知ツイートをRTすれば応募完了。
※はてなアカウントをお持ちでなくても、Twitterアカウントがあれば応募できます。
抽選と発表 応募期間終了後に厳正な抽選を行い、@hatenablogアカウントから当選ユーザー様のTwitterアカウント宛に送付先情報等を確認するダイレクトメッセージをお送りします(取得した情報は本賞品送付用途以外には使用いたしません)。なお、送付先は国内に限らせていただきます。

発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。

※キャンペーンに応募するために複数のアカウントを作った場合、すべてのアカウントが凍結されることがあり、応募資格を失いますのでご注意ください。

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