※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。
「あなたのブログを本にしませんか?」
ブログを運営しているなら、一度はそう言われてみたいという方も多いのではないでしょうか。この春、はてなブログで公開された記事をもとに、3冊の単行本が刊行されました。いずれも商業出版から初の単著です。
著者の和田一郎さん、星井七億さん、くらふとさんに、それぞれブログをどう考えながら運営しているのか、本を出すうえでブログはどんな役割をもっていたのかなどをお聞きしました。みなさんのブログ運営に、少しでも参考になれば幸いです。
※それぞれの著書を読者のみなさまにプレゼントいたします。記事末の応募要項をご覧ください。
たとえ「失敗」した体験でもシェアされれば無駄ではない/和田一郎さん
和田一郎 (id:yumejitsugen1) さんが「ICHIROYAのブログ」で2013年11月に公開した 僕が19年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと が、この2月に書籍化されました。3,000文字の記事が200ページの単行本になり、大幅な加筆がされています。
和田さんがこの書籍化にかけた想いはどんなものだったのでしょう?
- 作者: 和田一郎
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (7件) を見る
――ブログを始めたときはどういったことを考えてましたか?
もう50歳を超えていましたし、死ぬまでに「何かを書いて何かを伝える」という昔の夢を叶えたいと思っていたところに、ちょうどブログがあったんです。ですが、自分の情けないところを書けるようになるまで、けっこう時間がかかりました。
最初はええかっこして、自分の体験の中でも起承転結があっておもしろいことから書いていくわけですが、それは2カ月くらいでなくなるんです。それでも書きたい。何を書くか?
読まれるうちに、体験をシェアすることが大切だとわかってくる。自分の体験がたとえ「失敗」であっても、シェアされて「そやな」と思った誰かの人生を若干でもいい方向に変えることができれば、ただの失敗には終わらない。
それが自分の一番したいことだとわかったんですね。はてなブログを書き続けて、大げさな話ですけど、自分の人生が無駄にならずにすんだな、という気持ちです。
――3年以上毎日更新されていましたが、ブログを書き続けるうえで考えておくべきことはありますか?
ヘミングウェイも「(書くことは)血を流すだけだ」と言っていますが、血を流しているときには、話題になる記事がいくつか書ける。ただ、それで月間50万PVになっても、それがずっと続くことは、あまり望まないほうがいいように思います。
半年もすれば一番血が流れている部分も書き切ってしまいますから、その後は半分以下のPVで、現在進行形で琴線に触れることを書いていく。そのあたりに、ブログの理想的なパターンがあるような気がします【談】。
和田さんは、次作として 絶対に失敗せずに「商売」を始める10のポイント をベースにした書籍を現在執筆中とのことです。
自分で面白いと思うことを、自分のペースで/星井七億さん
表題作 もしも矢沢永吉が桃太郎を朗読したら をはじめとして、ブログ「ナナオクプリーズ」に星井七億 (id:nanaoku) さんが掲載したたくさんの創作短編が、書き下ろしを加えて書籍化されました。
小説や読み物をブログで公開するときに考えておきたいことを聞きました。
- 作者: 星井七億
- 出版社/メーカー: 鉄人社
- 発売日: 2015/04/16
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
――ウケる記事、読まれるネタを考えるヒケツはありますか?
僕の場合、「これは絶対ウケるぞ!」というネタがあまり読まれなかったり、逆に「ウケが悪いかな」という記事ほど多く読まれたりということばかりなので、自分の中の「これはみんなにとって面白い」とか「こうすればみんな喜ぶ」といった憶測は信用しないようにしています。
最初のおとぎ話ネタの「制約だらけの桃太郎」も「自分さえ面白ければ」という考えで書いたものだったので、SNSで拡散されて広く読まれたのが、まず想定外でした。
ただ、記事がヒットすると、よく「この勢いを維持して、立て続けに更新しなければ!」と更新頻度をあげて、中身が薄くなったり迷走したりという人を見かけますが、自分はペースを崩さずに記事を書くように心がけています。
もともと「面白い」と思ったネタをアウトプットしても、自分で読み返して満足するか、知り合いに読ませるかくらいしかなかったので、ブログを通じてより多くの人の目に留まり、評価してもらえるようになったことは大きいですね。
――書籍化したいと考えているブロガーの方にアドバイスをお願いします。
更新ペースも遅く、ネタもギリギリなので、商業的なオファーはないだろうと思っていました。そんなひときわ変わり種の本を出した僕のアドバイスが通用するとも思えませんが、自分の好きなことを自分のペースで書いていれば、いつか、多分、おそらく、きっと、のぞみ、かなえ、たまえ……とだけ言っておきます【談】。
Twitterでよく見かける人、で終わらないために/くらふとさん
くらふと (id:craft_kim) さんがブログ ギャラリークラフト に2012年から掲載している人気の食レポマンガ「ゆかい食堂」シリーズが遂に書籍化されました*1。
くらふとさんには、以前にも本ブログでインタビューしましたが、連載など仕事で書くこととブログの関係などをあらためてうかがいました。
- 作者: くらふと
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (4件) を見る
――Web連載など仕事で記事を書くことが増えると、ブログに対するスタンスも変わってきませんか?
ブログが「仕事に縛られない自分の遊び場」というスタンスは以前と変わらずあって、メディアに載せられないネタで描きたいものが出てきてもここに上げることができる、というのは非常に大きいです。編集さんのOKがないと広く発信することができなかった、紙の時代との大きな違いだと思います。
やはり、「自分のフィールド」を持つことが大事で、ホームがあると自分の発信物をまとめて残すことができ、活動も深まります。仕事を依頼する方からすれば「動向を追うのに便利なツール」にもなっていて、実際に「ブログに載せていた漫画を見て、仕事を依頼した」と言われたこともあります。
――ネットで表現活動をしていく上で、ブログはどう役に立つでしょうか?
TwitterのプロフィールにブログやWebサイトのURLがあるかどうかで、活動の信頼性にも大きく違いが出ると思います。Twitterで「タイムラインに現れる発言」として知ってくれた人を、引き込む場所があるかどうか。「Twitterでよく見かける人」で終わらないためにも、ネットで表現しようと考えているなら、ブログを書いたほうがいいでしょうね。
現在は、週に1回「今週の更新」として、3本ある連載の更新情報や単発の仕事のお知らせなどをブログに書いています。仕事の記録も兼ねており、後で自分が見直すのにも役立っています。ただ、仕事の原稿を優先すると、ブログの更新が後回しになってしまうのはもったいなく思っています【談】。
「ゆかい食堂セレクション」は、星海社のWebサイト「ジセダイ」で好評連載中 ゆかいなお役所ごはん の単行本と2冊同時刊行。この連載は当初から書籍化が予定されていたそうです。
- 作者: くらふと
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (3件) を見る
* *
ブログに対する三者三様の想いをお聞きしました。みなさんもブログを運営していて気づくことや、気をつけていることなどあるでしょうか? よければ記事にまとめてみてください。
はてなブロガーさんの本欲しい! 2015
ここまでお読みいただいた読者のみなさんに、紹介した3冊の著書を各5名様にプレゼントします。
- 和田一郎「僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと」×5名様
- 星井七億「もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら」×5名様
- くらふと「ゆかい食堂セレクション お肉編」(著者サイン+ステッカー付き)×5名様
はてなブックマークでこの記事をブックマークすれば応募完了です。その際、ブックマークコメントで希望の本をご指定ください(どの本でもかまわない場合は指定いただく必要はありません)。ご応募をお待ちしています。
キャンペーン応募要項
応募期間 | 2015年6月12日(金)から2015年6月30日(火) |
---|---|
賞品 | 上記いずれかの著書。計15名様 |
応募方法 | この記事を、はてなブックマークに追加してください。 ※本の希望があればブックマークコメントでご指定ください ※プライベートモードでご利用の方は対象となりません |
当選発表 |
|
ご執筆・ご出演の際には、はてなブログ編集部にも情報をお寄せください
はてなブログ・はてなダイアリーをご利用中の方で、本記事で取り上げたブロガーさんのように書籍を刊行されたり、雑誌・Webマガジンへの執筆や連載、テレビ・ラジオ等への出演、イベント・トークショーの開催などのご予定がありましたら、下記の「執筆・出演情報フォーム」より、はてなブログ編集部までご連絡ください。
確認のうえ、有用な情報は公式Twitterアカウント、公式Facebookページなどで紹介いたします。
※「執筆・出演情報フォーム」へのリンクは、当ブログサイドバーにもございます。
*1:同人誌としては2014年に刊行済み。なお今回の商業出版バージョンで最も古いのは2013年10月の記事。