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ネットの自浄作用を働かせるのは私たち。朽木誠一郎さんに聞く、医療情報との付き合い方

※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

この1年間で、インターネットの医療情報における課題が浮き彫りになりました。複数のWebメディアが、専門性の高い情報を不正確なまま掲載し、過度のSEO*1によって、多くのページビューを稼いでいたこと。いわゆる「WELQ問題」として記憶している方もいるのではないでしょうか。

この一連の騒動をまとめた『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を、ライター・医療記者の朽木誠一郎さん(id:seiichirokuchiki)が執筆されました。

今回、はてなブロガー*2でもある朽木さん(id:seiichirokuchiki)にメールインタビューを実施。病気と向き合う機会が訪れるであろう全ての人、そしてブログなどで闘病記を書いている患者さんやご家族へ向けて、インターネットの医療情報の付き合い方とブログでの情報発信について伺いました。

記事の最後に、書籍を抽選でプレゼントするキャンペーン情報も用意しています。

問題のある情報を見かけたら、声をあげよう。

朽木さん(id:seiichirokuchiki)が、インターネットの医療情報の問題点を分かりやすくまとめた本書。医療とウェブの仕組みそれぞれを噛み砕き、初心者でも読みやすい内容となっています。

健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book)

健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book)

── インターネット上の医療情報の課題について、教えてください。

もともと、検索エンジン最大手のGoogleは「YMYL(Your Money or Your Life)」といって、財産と生命に関わる領域では、情報の信頼性についてより厳しい基準を設けていたはずでした。しかし、『WELQ』に代表される、長文で網羅的な記事を大量生産するという方法で、Googleをハック(攻略する)ことができてしまっていた。WELQは閉鎖されましたが、『ヘルスケア大学』など、同様の手法でGoogleをハックしようとするサイトが後を絶ちませんでした。そのような状況が、2017年12月のGoogleアップデートで一新され、医療機関のサイト、製薬会社のサイト、公共機関のサイトなどが上位に表示されるようになったのです。

自然検索は改善された一方で、広告には問題が残り続けています。そもそも健康食品はその定義上、病気を治すものでも防ぐものでもありませんが、さもそれができるように受け取られる表現を使った広告が今もネットには出ています。そのような広告は、例えば小林製薬の事例*3のように、がん患者にターゲッティングして表示されることもある。行政もさまざまな規制をしていますが、テクノロジーの発達によりその目をかいくぐることもできてしまうのです。また、InstagramなどのSNSでは芸能人がインフルエンサーマーケティングで美容・健康食品を扱うなど、広告手法がこれだけ多岐に渡る現状では、やはり受け手にもこの状況を知っていただくことがスタートなのではないか、と思っています。

── 特にどんな方に本書を読んでほしいですか?

健康への意識が高いものの、それが効果のない方向に向かってしまっている……例えば「さまざまなダイエット法を試しては失敗する」「たくさんのサプリメントを常用している」「健康本・健康番組を好んで観る」といった方に読んでいただきたいと思います。

── おすすめの章・ページを教えてください。

人生100年時代と言われる中、病気と向き合うタイミングは誰でもやがて訪れるでしょう。そのときに、自分や自分の周囲の人たちが後悔のない選択をするためには、情報の正しさを判断する能力が必要です。そうした方は、1章に私たちをとりまく環境の総説、3章に情報を判断する具体的な方法についてまとめてありますので、そちらをぜひお読みください。

「自分は比較的リテラシーが高い」と感じていらっしゃる方には、4章がおすすめです。情報テクノロジーが発達した現代であっても、医療情報の信頼性を見極めるのは難しいものです。加えて、科学的であったとしてもそれに抵抗したいと思う、いわゆるスピリチュアリティに興味を持つ人もいます。そういった中で、リテラシーを身につけることの難しさや、「なぜ私たちはだまされるのか」ということについて説明をしています。この章はまた、医療関係者の方々からも好評をいただいています。科学的であることだけでは人の心は動かないということについて、考えてみていただければと思います。

── はてなブログは、がんをはじめ多くの病気の患者や家族が情報発信をしています。患者・家族が情報発信をすることについての課題を教えてください。

患者さんの情報発信は、特に同じ病気の患者さんから需要が高く、先述のGoogleアップデートにより見つかりにくくなってしまったことには、私が取材をする患者さんから不満の声も聞かれます。同時に、医療情報は取り扱いが非常に難しいものであるため、情報の信頼性を担保できない場合もあるでしょう。また、ネット上には患者さんを装って健康食品を売りつける、といったブログが存在することも事実です。命に関わる情報だからこそ、やはり、その正しさを判断する能力が必要ではないでしょうか。

── これからのはてなブログ、あるいはインターネットの医療情報に対して、期待していることを教えてください。

個人があげた声によりWELQが閉鎖され、Googleを動かしたように、ネットには自浄作用が働き得ると思っています。この自浄作用を働かせるのは、私たちの監視と警告です。問題のある情報を見かけたら、ぜひ、声をあげていただきたいです。その声を私のような立場のものたちがしっかり拾い、よりよい方向に動くように調査・報道してまいります。

週刊はてなブログでは、今回紹介した『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』を抽選で3名様にプレゼントします。詳細は以下の応募要項をご覧ください。たくさんのご応募、お待ちしています。

応募要項

応募期間 2018年6月29日(金)~2018年7月5日(木)午後11時59分
賞品・当選者数 『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』を3名様
応募方法 ・Twitterで@hatenablogをフォロー。
こちらの告知ツイートをRTすれば応募完了。
※はてなアカウントをお持ちでなくても、Twitterアカウントがあれば応募できます。
抽選と発表 応募期間終了後に厳正な抽選を行い、@hatenablogアカウントから当選ユーザー様のTwitterアカウント宛に送付先情報等を確認するダイレクトメッセージをお送りします(取得した情報は本賞品送付用途以外には使用いたしません)。

なお、送付先は国内に限らせていただきます。 発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。

※最近、当選のお知らせメールに返信がなく、当選が無効となるケースが多発しております。ご応募の際は登録メールアドレスのご確認をお願いします。

*1:「Search Engine Optimization」の略。検索結果でWebサイトがより多く露出されるために行う一連の取り組みのこと

*2:朽木誠一郎 の あまのじゃく日記

*3:「がん」検索者につきまとうネット広告に批判 健康食品を「あきらめないあなたに」