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子どもにスマホを持たせるなら、考えておきたい。親子で学ぶ「インターネットとの安全な付き合い方」

親子で学ぶ「インターネットとの安全な付き合い方」

子どもからお年寄りまで、幅広い世代に日常的に使われるようになったインターネット。小中学生もタブレットを使っての自宅学習が当たり前となるなど、今では生活に欠かせないものとなっています。

しかし、子どもがインターネットに触れる時間が増えると、保護者にとっては気がかりなことも多いですよね。夏休み中のこの機会に、インターネットとの安全な付き合い方を親子で考えてみませんか?

週刊はてなブログでは今回、実際にコミュニティ運営・サポートを担当するスタッフによる「インターネットサービスを使うにあたり親子で気を付けたいこと」をテーマにした座談会を実施。サービスで実際にあった事例を見ながら、より安全なインターネットとの付き合い方を考えてみました。

お話しするのは、はてなのコミュニティマネージャーである中川里子、聞き役は、それぞれ2歳と小学2年生の子どもを持つはてなスタッフです。

座談会参加者プロフィール


中川里子
株式会社はてな コミュニティマネージャー。ネットリテラシー教育に関しては、教育関係者を対象とした講演、書籍『保護者のためのあたらしいインターネットの教科書』(中央経済社)への寄稿など幅広く活動。子どもは成人済。

C
小学2年生の子どもがいるはてなスタッフ。

M
2歳の子どもがいるはてなスタッフ。

子どもを取り巻くネットリテラシー教育の今

M:最近では、スマートフォンやタブレットが普及して、私たちが子どもの頃には予想もできなかったほど、暮らしにインターネットが溶け込んでいますよね。

実際、どのくらいの子どもがインターネットを使っているかを調べてみたのですが、内閣府が10歳〜17歳を対象に調査した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」では、小学生でも90%のお子さんが利用している状況です。


ワンポイント解説

疑問:どのくらいの子どもがインターネットを使っている?
答え:小学生90.5%、中学生97.4%、高校生98.9%(令和2年度)

参考資料:青少年のインターネット利用環境実態調査 - 内閣府

小学生くらいから、インターネットの使い方を教えておかないといけない時代になっているということですね。

C:そうですね。うちの子は小学2年生なのですが、Webサービスを使うにあたって、ネットリテラシー以前に「インターネットとは何なのか」「どういう仕組みなのか」といった根本のところからまだ説明できていなくて、そろそろちゃんと話さないといけないなと思っています。

中川里子(以下、中川):子どもとインターネットのことを考えるとき、親世代との認識の差もありますね。現在子育て中の親というと20代後半から40代くらいで、インターネットデビューしたのが2000年代前半くらいかと想定しますが、当時のインターネットというと、一部では「子どもにはまだ早いもの」というイメージもあったと思います。それもあって、危ないから子どもにはできるだけ使わせたくないという方も結構おられるように思うんですよ。

C:確かにそうです。昔は、サービスによっては子どもには到底見せられないというものもありましたね…...。

中川:そんなイメージをまだまだお持ちの方もいるのでしょうね。でも、日本では2008年に青少年インターネット環境整備法が成立し、同時期に出会い系サイトの規制も強化されたりと、格段に法整備が進みました。子どもに有害な可能性のあるWebサイトにアクセスできないようにするフィルタリングも、プロバイダや携帯電話会社などが提供するサービスとして一般的なものになりましたし、親の見ていたインターネットの景色とは少し違ってきているかもしれません。

www8.cao.go.jp

中川:学校での情報リテラシー教育も、インターネットの利用をむやみに制限するのではなく「安全に活用する」という方向です。私も、はてなが賛助している安心協(安心ネットづくり促進協議会) のイベントで高校生や先生方と話す機会がありましたが、今の子どもたちはインターネットで不用意に名前や所属を出したら危ないとか、誹謗中傷の書き込みやいじめはダメですよといったルールを常識として知っていて、サービスを使いこなしておられます。しっかりされてるなあと思いました。

C:そうなんですね。そういうリテラシー教育について参考になりそうな情報でおすすめのものはありますか?

中川:最近は、学校や教育機関からの情報公開が進んでいて、例えば、東京都の教育委員会が学年別にSNSの利用における注意点などをまとめた教科書を公開しています。親から見ても、同年代の子どもたちがどの程度SNSに触れ、どのような問題が起こりがちかが分かって、良い資料だと思います。

ijime.metro.tokyo.lg.jp

また、インターネットサービス運営者も、子どもや家族、教育関係者向けのコンテンツを公開するなど、相談窓口を設ける事例が活発になってきています。はてなも安心協など団体を通じて教育事業に協力しています。

www.good-net.jp

ただ、公教育が充実する一方で、より低年齢でまだ予備知識のない子どもがトラブルを起こしてしまったり、むしろ大人が原因で子どもをトラブルに巻き込んでしまったりするケースもやはりあります。だから、このような教科書やコンテンツを参考にしながら、ご家庭で一緒に話し合って学んでいくことが大切だと思います。

M:実際にサービスで起こったトラブルなどの事例も参考にしていただけるとよさそうですね。

悪気のない行動がきっかけで、子どものアカウントが利用停止に

C:これまでサービスを運営してきて印象深かった事例はありますか?

中川:これはかなり以前の話になりますが、小学校低学年のお子さんをお持ちの親御さんから「うちの子が利用停止にされたが何かの間違いではないか」とのお問い合わせをいただき、利用状況を調べたところ、お子さんが下着を脱いで自撮りを投稿しようとしていたため利用停止となっていた、ということがありました。

C:え、それは親としてはショックですよね!

中川:幸い、鮮明な画像ではありませんでしたし、そのサービスでは実写画像は投稿しようとした時点でチェックできる体制をしっかり組んでいたので、公開される前に利用停止になっていたのが不幸中の幸いでした。

M:まさか自分の子どもがインターネットでそんなことをするとは......ですよね。

中川:子どもとしては、家でお風呂上がりに裸で走り回るとかそういう悪ふざけの延長線上で、よくないことをやっているという意識がまったくなかったそうで、それがとても印象的でした。

親御さんの中にも、子どものころにそうやって遊んだ記憶がおありの方もいるかもしれません。でも、今はインターネットだけでなく、お友達同士でも性的な悪ふざけは許容されなくなってきています。

世間には子どもの無知に付け込んで良からぬことをする人もいますし、親が思っているより早い時期から「水着で隠れる部分はプライベートゾーンだから誰かに見せてくれと言われても見せない」「お友達同士であっても見せ合いっこなどはしない」といったことを、日頃から親子で話し合っておくといいのかなと思います。

子どもの画像を掲載するときに気をつけたいこと

M:先ほどのお話にありましたが、子ども自身の使い方だけでなく、大人の不注意によって子どもがトラブルに巻き込まれてしまう、といったこともあるんですよね。

中川:ありますね。はてなが現在提供しているサービスでは大人のユーザーさんが多いので、大人に気を付けていただきたい事例がやはり多いです。

例えば、キャンプや子ども会の旅行のような子どもの集まるイベントに参加した様子をブログに記録する中で、自分の子どもやその友達の姿はスタンプなどで隠しているのに、顔見知りでない子どもたちまでは隠しておらず、映り込まれた方から削除できないか相談を受けたことがあります。

C:自分が知っている人たちは隠そうと思うけど、映り込んでいる知らない人たちというのはもう、背景になってしまうんですね。

中川:後ろ姿なのですが、髪型や服装と参加したイベントなどの情報を組み合わせることで、自分の子どもが特定できてしまうので削除してほしいというお問い合わせもありました。

C:知り合いならやんわり消してほしいと頼めますが、自分でコントロールできないところで、知らない人に画像をアップされてしまうというのは困りますよね。

中川:これ、うっかりしがちなのですが、最近のカメラはスマートフォン付属のものであっても昔では考えられないほど画質が良くなっています。ブログに掲載された小さい画像では顔も分からないと安心していても、拡大したら顔だけじゃなく名札までくっきり読み取れて学校も名前も丸分かり…...なんてことがあるんですよ。

M:それは怖い! 写真をアップする前にちゃんとチェックしないといけませんね。

子どもの写真をSNSに載せる「シェアレンティング」が将来子どもを傷つける……?

中川:ところで、最近では「シェアレンティング」という言葉があります。「シェア」と「ペアレンティング(育児)」を組み合わせた造語で、親がSNSやブログに子どもの情報を載せてシェアすることを指します。さっき話したような不注意ではなく「かわいいわが子を見てもらいたい!」と積極的に掲載するようなパターンですね。

子どもは、特に小さいころは、親が自分の画像やプライバシー情報をインターネットに掲載することに対して拒否権がないですよね。むしろ、子ども自身も掲載されて喜んでいることもあります。しかし、成長した後に、インターネットに残り続けた情報が子どもを傷つけてしまったりする。そういうことが問題になってきています。画像だけではなく、子どものエピソードや発言を紹介するときも、将来、子どもが読んで恥ずかしいものや不快なものでないか、気を付けないといけません。

M:親も、子どもを自分とは違う一人の人間として、将来大人になった後までを考えて、尊厳とプライバシーを守っていく責任があるということですね。

中川:その通りです。そういう観点で見てみると、最近の芸能人の方たちは、子どもを守るために、子どもの名前やその子の特徴が分かる箇所は伏せていたり、子どもとのエピソードもポジティブなものをピックアップするなど、SNSに公開する情報をかなり注意深くコントロールされているように思います。チェックしてみると情報公開の参考になるかもしれません。

話しておきたい、課金サービスを利用するときのルール

C:インターネットでのトラブルというと、世間でよく聞くのが「子どもが高額課金をしてしまった」という話ですが、そういうお金関係のエピソードはありますか?

中川:はてなでも、かつてはカラースターボックスがお子さんに人気で、親のクレジットカードを持ち出して勝手に買ってしまうような事例はありました。そして、実際にそのようなトラブルに対応していて、もしかすると、お子さんとしてはそこまで悪いことという自覚を持っていないのかも、ということが結構あったんですよ。

C:子どもって、クレジットカードを魔法のカードと思っているのかな? って感じることがありますね。 お店で子どもに「お金がないから買わないよ」って言ったら「カードがあるじゃん」なんて切り返されたり(苦笑)。

中川:そうなんです。つい出来心で悪いことをやってしまうというようなケースもあるのですが、子どもによっては、まずその前の話としてクレジットカードを持ち出して使ってしまうことの重大さが分かっていないこともあるかもしれません。だから、まず、クレジットカードの仕組みやルール、具体的には「カードで買い物をすると後からお金を払うことになるんだよ」「人のカードを勝手に使うのは家族であっても犯罪だよ」ということは機会を見て話しておく必要があるかと思いました。

C:確かにそうですね。暗証番号やパスワードの取り扱いなども含めて、大人になっていくにあたって必要になる知識ですし。それを子どものころから知る必要があるのは大変ですけど、親の務めとしてしっかり教えていかないといけませんね。

M:そういえば、ゲームなどでは子どもが勝手に課金したり長時間遊びすぎたりしないように親があらかじめ制限をかける機能もありますよね。でも、Q&Aサイトでは、制限の外し方を質問しているお子さんを見かけたりします。

中川:もちろん親が機能で制限をかけるというのも大事ですが、子どもがどうしてそういう制限があるのかが納得できないと、頑張って制限を外そうという方向にいってしまったりするんですよね。

C:うっ、自分も中高生のころそんな感じでした…...。

中川:そういう経験があればきっと子どもの気持ちも分かると思いますし、ぜひ話し合ってみてください!(笑)

M:こんなふうに「どういうトラブル事例があるのか」を知っておくことで、気を付けるポイントのイメージがつくこともありそうですね。総務省のサイトでもインターネットにまつわるさまざまなトラブル事例が公開されているので、親子で目を通して「こういうこともあるんだね」と話してみるのもいいかもしれないですね。

総務省「インターネットトラブル事例集2021年版」(PDF) 📖

中川:サービス側もトラブルを防止するためにさまざまな機能を提供していますし、課金の場合は取り消し手続きもあることが多いので、実際に困ったらサービスの運営者に問い合わせるのが良いと思います。

初めて使うWebサービスは、親子で一緒に使い方を学んでみる

M:はてなのサービスは大人のユーザーさんが多い印象ですが、小中学生のユーザーさんも結構いらっしゃるのでしょうか?

中川:営業資料で公開しているデータでは、登録ユーザーのうち10代以下の割合が4%となっています。はてなブログではゲームの攻略やアイドル情報、動画も交えたおもしろ記事など、小中学生に人気のあるコンテンツを発信されている方もおられますし、閲覧だけされているお子さんはもっとおられると思います。

はてなの利用規約では、未成年者であっても保護者の方の同意があればサービスを使えるルールになっていますので、お子さんにもぜひ使っていただきたいとは思っています。

C:最近では、週刊はてなブログのひゃくまんさんのインタビュー記事を読んだ小学生の読者さんからの「ブログを書いてみたい」という反響などもありましたよね。

blog.hatenablog.com

中川:この記事を読んで、親御さんとの関係が素晴らしいなって思いました。その一方、やはり子どもがブログで情報発信することを不安に思われる親御さんも多いかと思いますし、実際に「子どもがブログを書きたいと言ってるのですが大丈夫ですか?」と、サポート窓口にご相談をいただくこともありました。

はてなブログは無料でもご利用いただけますが、もしお子さんだけでのご利用が不安であれば、有料プランの「はてなブログPro」には「ブログメンバー機能(複数人での共同編集機能)」があるので、親御さんのアカウントではてなブログProにお申し込みいただいて、お子さんのアカウントで記事の下書きを作り、親御さんがチェックをした上でブログを公開する、といった使い方もできます。これは企業が運営する公式ブログでも記事チェックの仕組みとして使われているテクニックです。

hatenablog.com

M:今は本当にたくさんのWebサービスがあるので、はてなのサービス以外でもお子さんが興味を持つサービスがあったら、積極的に「親子で一緒に使ってみる」というのも、ネットリテラシーを身に付けていく上では良いかもしれないですね。新しいものについては子どもの方が詳しいことも多いので、一緒に楽しみながら、親が子どもに教わってみるというのもいいと思います。

中川:反抗期になると親と一緒にサービスを使うということに抵抗が出てきたりしますので、できれば早い時期からインターネット上での出来事を親子で話し合える関係を作り、風通しをよくしておきたいですよね。

また、親御さんが「このサービスはどう使ったらいいのか分からない」ということがもしあれば、サービスの問い合わせ窓口に相談してみるのも一つの方法です。そこでどこまで親身になってもらえるかで、サービスの安心度をある程度推し量れるのではないかと思います。

C:はてなのサービスをご利用いただいている方も、お困りのことがあればお気軽に問い合わせいただきたいですね。

はてな Support(はてなのサービスへのお問い合わせ窓口)👩‍💻

中川:安心して使っていただけるよう、私たちも頑張っていきますので!

M:今日はありがとうございました。

中川C:ありがとうございました。