書き残そう。あなたの人生の物語
こんにちは! 週刊はてなブログ編集部の大藤です。今回は、お題「SFといえば」で募集した記事をご紹介しようと思っています。
その前に「なぜ今はてなブログでSFのお題を?」と感じている方も多いかと思います。そこで、はてなブログとSFの関わりについて、まずご紹介します。
2011年、はてなブログがリリースした当初より掲げていたキャッチコピー「書き残そう。あなたの人生の物語」ではテッド・チャンの代表作『あなたの人生の物語』を引用しています。はてなブログはそのはじまりからSFに背中を押されていたのです。
その後、はてなブログではさまざまなジャンルのブロガーさんに活躍いただき、SFもその中の一大ジャンルとして挙げられるようになりました。例えば、冬木糸一さん(id:huyukiitoichi)の「基本読書」やid:sheep2015さんの「ひつじ図書協会」といったSF作品を中心とした書評ブログや、SF研究を諸研究の集合体として捉えた「SFスタディーズ」を行うナンバユウキ(id:lichtung)さんのブログ「Lichtung」、また、SF作品の紹介だけでなくご自身による創作や翻訳も掲載する呉衣悠介 (id:clementiae)さんの「忘れないために書きます」など。他にもここには挙げ切れませんが、さまざまなアプローチでSFを楽しむブログが登場しています。
今回のお題でも、そんな多様なSFの楽しみ方をのぞくことができるブログがたくさん集まりました! ぜひ、最後までご覧ください。
みんなのSFの原点
SFとの出会い方は人それぞれ。ここでは、ブロガーのみなさんにとってのSFの原点が語られた記事を紹介します。
「初恋なんてそんなものだ」
そういう意味で、ディックは「初恋の作家」だ。時系列ではなく精神的な意味で。そして、おれは例に漏れずバカな男の一人だから初恋を引きずり続けている。
SFといえばフィリップ・K・ディック - 電羊倉庫
ご家族をはじめ、周囲の人々のすすめでさまざまな作品に出会ってきたという電羊書房 (id:HDIPB)さん。だからこそ「一から自分で探して好きになった作家」、フィリップ・K・ディックには特別な思い入れがあるそう。文章から「初恋の作家」への迷いや切実さ、絡み合う複雑な思いが伝わってきます。
hdipb.hatenablog.com
意味がよくわからなくても、惹かれる
信じられないようなすばらしい光景を見たいから、少しでも長生きしたい
私のSFの原点は、不思議な映画「2001年宇宙の旅」 - R55女性あるある
アーサ・C・クラークの小説をもとにした、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』をSFの原点として挙げたのは あんの(id:anno1532)さん。鑑賞中の幻想的な体験や作品の魅力を音楽を通じてひもときます。
親の書棚にあったブラッドベリ
タイトルがまた、今見てもカッコいいんだよなぁ。翻訳の妙ですね。
一番最初のSFは何? - おのにち
みどりの小野 (id:yutoma233)さんは、お題をきっかけに「記憶に残る『一番最初のSF』」に思いを巡らせることに。「親の書棚から手にしたハヤカワ文庫SFのレイ・ブラッドベリ」に行き着いたみどりの小野さんは、作品が持つ「情緒的な雰囲気」を懐かしみます。
記憶に残るマイベストSF
SFというと頭に浮かぶ「マイベスト」な作品をリストアップした記事をピックアップ。名前がよく挙がったのは、星新一、萩尾望都、フィリップ・K・ディック、スター・ウォーズ、ガンダムなど。あなたの「マイベスト」SFを思い返しながら是非お楽しみください。
「やはりガンダムでしょう」
僕にとって宇宙とか地球から出ることの面白さを与えてくれたアニメ
[やっぱガンダム - 燃焼の捌け口2
「SFといえば」という問いに迷いなく「ガンダム」と答えるのは燃焼年 (id:kusumiblur)さんです。幼少期から今まで、アニメはもちろん「『ガンダム』と名のついたコンテンツには何から何まで」興味を持って、触れてきたといいます。ガンダムが広げた世界の豊かさが燃焼年さんの語りから伝わってきます。
わたしとは、根源的な問いに連れられて
身体でもなく脳でもないところに在る、確かに存在するわたし、という意識。
萩尾望都の繊細で美しいSFの世界 - たわむれ日記
わたしって、どういうこと?
幼少期から夜、眠るときに「人間とは、神とは、存在とは何なのか」という根源的な問いについて考え込んできたというlila (id:lila358)さん。そんな根源的な問いと共鳴するような萩尾望都の漫画や今の世界を映し出したかのような星新一の小説について語っています。
lila358.hatenablog.com
わたしとSF、そのあゆみ
本は結婚時に持参しましたが、年を経て本の傷みが酷くなったので
泣く泣く一冊を除いて手放しました。
鈴のよもやま話
学生時代から今まで、ご自身とSFの歴史を振り返る鈴 (id:turezuremamani)さん。SFとの出会いから結婚など、ターニングポイントのエピソードとともにSF作品の魅力を語る、等身大な投稿です。
SF= ……?
一口にSFと言っても、「サイエンス・フィクション」とするか、「スペース・ファンタジー」とするか、はたまた「すこし・ふしぎ」とするか、あるいは「スペキュレイティブ・フィクション」とするか……と、その言葉自体に幅があるもの。特によく書かれていたのが、「サイエンス・フィクション」「スペース・ファンタジー」というワードです。
手に汗握った『スター・ウォーズ』の思い出
おそらく高精度のCGに慣れた今の小学生が見たら子供騙しの特撮かもしれませんが、短いながらも積み上げてきた常識を覆すような映像に衝撃を覚えたあの感覚は今でもはっきり覚えています。
SF=スペースファンタジー? - 未来そうぞう日記
『スター・ウォーズ』の出会いでSFを「スペースファンタジー」という言葉として認知したという id:dad_aslan さん。当時の映画館で途中入場して見た『スター・ウォーズ』のワンシーンの感動がありありと伝わってくる描写に、心動かされます。
dad-aslan.hatenablog.com
思い入れはない、好きはある
俺にとっての名作というのは、どこかにそういう、自らが扱っている手法への諦めが内在している。そして、それをふまえた希望も同時にある。
SFについて - 蠅と鬼と人
SFを「スペースファンタジー」と捉えていたことについて「思い入れがない」からだと語るカジカ (id:kajika0)さん。一方でSFへの「好き」は明確に語っています。小説、漫画、映画をまたいだ6作品を通して、どんなSFが好きなのか、を言語化しています。
テーマがSFだからこそ! 書きたいがあふれる
また、今回SFというテーマだから! と前置きする投稿も見受けられました。テーマがSFだからこそ、語りたくなった。そんなブログを紹介します。
「心は複雑なんです」
なぜって、今週のお題が、「SFについて語ろう」なんですもん!
そしたら絶対「マーダーボット・ダイアリー」について書きたいじゃないですか。
「マーダーボット・ダイアリー」について書きた過ぎて、252日ぶりにブログに戻ってきた - ふあんをFunに
251日ぶりにブログに戻ってきたファニー (id:FuAnny_Life)さん。 警備用アンドロイドが語る小説『マーダーボット・ダイアリー』の魅力を熱く語ります。カスタムURLも粋で読むだけで楽しい気持ちが伝わってきます。『マーダーボット・ダイアリー』、絶対読みます。
fuanny.com
「思わず、『おっ』」
大学生の頃から結婚して出産するまでは、神田神保町の本屋街に行くのが好きで、友達と両手いっぱい本を買って帰った思い出。
今、本の重みで掌が真っ赤になったその痛みも蘇ってくるような気がします。
はじめてのおだい - しばらく雨は降りません
はじめてお題に挑戦したという泥メガネ (id:kinopanmama)さん。古書街で本を抱えて帰った、あたたかい思い出とともに、小説を通じて「読んで心を『ぎゅんっ』って掴まれたあの衝撃」や「呼吸困難になるくらい泣いた」経験についてつづっています。読書をする、その面白さが満遍なく感じられる文章です。
言葉の定義から、好きな作品まで、SFという世界には一度の人生では味わい切れない広がりがあり、わたしが知っているのは、その莫大な世界のごくごく一部です。そして今回のお題「SFとは」では、そのSFという枠組みの広大さを改めて実感させられました。
SFという枠組みの中で、これからどのようなブログや記事が生まれるのか、楽しみでなりません。より多くの人がその記事に出会えるよう、SFについて記事を書かれる方は是非ブログタグ「#SF」をつけて投稿してください!
今回紹介したのは、2022年7月22日から2022年8月5日にかけて募集した今週のお題「SFといえば」に投稿されたエントリーの一部です。
新しい「今週のお題」にもエントリーが続々寄せられています。今週のお題、テーマはなんでしょう? ぜひチェックしてみてください。
今回紹介したブログ
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大藤由緒
週刊はてなブログ編集部3年目。おおふじよしおと読みます。SF小説と京都が大好き。 築100年の京町屋をリノベーション中。インテリアや部屋紹介の記事をついつい読んでしまいます。