ブログのタイトル付けにお悩みの方へ:SEO専門家が教えるポイント

はてなブログでは「記事に表示される記事タイトル(大見出し)」「検索エンジン向けタイトル(title要素)」「SNS向けタイトル(og:title)」について、それぞれ設定できます。さらに本日、AIを用いて自動でそれぞれのタイトルを提案する機能「AIタイトルアシスト」をクローズドβとしてリリースしました

ただ、この機能でAIが提示したタイトルの候補からどれを選ぶべきか、また、提案内容からどのように編集するか、迷ってしまうかもしれません。また、AIに頼らず自分でタイトルを考えたいという方もいらっしゃるでしょう。

今回、はてなブログのSEOをサポートしていただいているSEO専門家の辻正浩さんに「タイトルの重要性」と「ブログのタイトル付けのコツ」について寄稿いただきました。「記事が読まれるのはうれしいけど、タイトルをいちいち考えるのは面倒」という方や、ブログやオウンドメディアの記事でタイトル付けに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

「タイトル」の重要性

新しい読者に記事を読んでもらうために最も重要なポイントの一つがタイトルです。
ほとんどの場合、読者はタイトルを見て読むかどうかを決めます。どんなに素晴らしい記事でもタイトルが悪ければ全く読まれないこともよくありますし、タイトルを変えるだけでクリック率・アクセス数が数倍になる、そんな事例はありふれています。

この重要なタイトルをより効果的にするために、ネットメディアでは「記事の大見出し」「title要素」「og:title」を別に設定する手法がよく使われます。

SEOなど集客に配慮したネットメディアではタイトルをそれぞれ設定をしている所は多いですし、有名サイトでも多く活用されています。例えばアメリカの新聞社で国内発行部数トップ3の「USAトゥデイ」「ニューヨーク・タイムズ」「ウォール・ストリート・ジャーナル」は3紙とも、多くのネット記事でタイトルをそれぞれ設定しています(2023年9月段階)。
良いタイトルを考えるのは時間が掛かることですが、多くのメディアでは複数のタイトルを考え続けているのです。それはそれぞれに適したタイトルを設定することにアクセス増加の効果があることの証明になるのではないでしょうか。

はてなブログは、日本の大手無料ブログサービスでは唯一この複数タイトル設定に対応しています。ブログ上で表示される「タイトル(大見出し)」、主に検索エンジンが活用することの多い「検索エンジン向けタイトル(title要素)」、一部のSNSが表示する「SNS向けタイトル(og:title)」の3つが、各記事の「SEO・SNS向け設定」で設定できます。

この機能を有効に活用することで、あなたのブログ記事は更に多くの人に届くようになります。

3つのタイトルの決め方

良いタイトルを考えるのは簡単ではありません。1つのタイトルでも簡単ではない上に、3つのタイトルを考えるとなるとより大変です。そのため、はてなブログでは記事内容を元にAIがタイトルを提案してくれる機能を追加しました。ただ複数提案されるタイトルでどれを選ぶのかに迷う方も多いでしょう。やはりAI任せにせずに自分で考えたい方もいるはずです。そのような方向けに、この3つのタイトルはどのように考えるべきかを解説します。

編集部ワンポイントアドバイス: AIタイトルアシスト機能では、それぞれのタイトルについて3つ候補を提案します。また、候補はその場で直接編集できるので、ご自身で提案内容を組み合わせてタイトルを作ることも可能です。

まず、3つのタイトルはどのように見られるかを考えてください。この3つは「プル向け」「プッシュ向け」「読者向け」という違いがあります。

「検索エンジン向けタイトル(title要素)」と「SNS向けタイトル(og:title)」は、両方とも一覧の画面で表示されますが、大きな違いがあります。

検索エンジン向けタイトル(title要素)

「検索エンジン向けタイトル(title要素)」は、特定の情報を探している人が多く見ることになります。特定の検索語句で検索をして情報を引き出す、自ら情報をプルしようとして見るものです。検索結果にはその情報を持ったページが並びますが、より「自分が知りたい情報が掲載されていそうなページ」が選ばれる傾向があります。目線が行きがちなタイトルの先頭部分に、記事のテーマとなる語句をしっかり入れることがよりクリックされるようになりますし、それは検索順位にもプラスになることが多いものです。
それに加えて、検索結果には似た情報が並ぶことが多いため、他と違う差別化ポイントをアピールもできればより望ましい「検索エンジン向けタイトル」になります。

SNS向けタイトル(og:title)

一方「SNS向けタイトル(og:title)」は、多くの場合では多様な情報が並ぶ画面に表示されます。特に特定の情報を探しているわけではなく、SNS等がプッシュしてくる情報を流し見る場合が多いです。そのため、より「興味関心を喚起されるページ」が選ばれやすい傾向があります。
何が書かれた記事かわかることは前提ですが、より目が留まりやすい表現にすることを心がけるべきです。ただ、実際の記事内容にそぐわない過剰な表現になると、記事を読んで落差に失望した読者はブログ名を覚えて二度と来てくれなくなることもありますから避けましょう。

編集部ワンポイントアドバイス: 2023年10月現在、X(旧Twitter)では、OGPの表示形式が変わり、SNS向けタイトル(og:title)が自動で表示されない状態になっています。そのため、以下のような工夫も合わせて行うことをおすすめいたします。
‐ アイキャッチ画像を工夫する
‐ URLを文末に置かない(URLが文末にある場合テキストリンクが省略され、ポストにリンクが含まれていることが認識しづらいためです)

また、Xの仕様変更に対しては「自動生成アイキャッチ画像のテキストの改行位置の改善など、ソーシャルシェアに関連した複数の改善を行いました」など、対応を進めています。

タイトル(大見出し)

「タイトル(大見出し)」は、主に既にブログに訪れた人に向けて表示されます。その記事を読もう、あなたのブログを読もうと思ってやってきた人が見るものです。ただ、タイトルの意味がわからないとせっかく記事を訪れた人も本文を読むのを止めてしまうことがよくあります。わかりやすくすること、記事の内容を端的に示すものや記事の前提を示すものとすることをおすすめします。
なお2023年9月段階では、検索エンジンの検索結果には「検索エンジン向けタイトル(title要素)」ではなく、この「タイトル(大見出し)」に設定した部分が表示されることもあります。可能であれば、検索結果に表示されてもクリックされやすい内容にすることも考えたい所です。

タイトル検討の実例

また、以前の記事で3つのタイトルの考え方について、『北海道旅行に行ったときの記事を数本書いていて「北海道旅行の2日目に札幌で納豆入りスープカレーを食べた」という記事』という実例で解説しました。こちらも参考に、ぜひ望ましいタイトルを考えてみてください。
staff.hatenablog.com

それぞれのタイトルでの望ましい文字数について

それぞれのタイトルで、より伝わるように、よりクリックされるようにしようとしますと、文字数を長く使いがちです。しかし、長すぎるタイトルは、一部しか表示されないことが多くあります。
「検索エンジン向けタイトル(title要素)」と「SNS向けタイトル(og:title)」は、主に表示される場所に合わせて考えたいものです。

「検索エンジン向けタイトル(title要素)」は、主に検索エンジンの検索結果に表示されます。検索結果は条件によって表示文字数は変わりますが、パソコンからの検索では主に最大全角28文字前後で、スマホからの検索では全角40文字前後になる場合が多いです。長くしても問題はありませんが、全角26-28文字で切られても内容が伝わるものにしましょう。

「SNS向けタイトル(og:title)」が使われるはてなブックマークやFacebookは表示状態によって異なりますが最低全角45文字は表示されることが多いです。全角45文字以内を心がけましょう。


おわりに

はてなブログでは本文の内容をもとにAIが3つのタイトルを提案してくれる機能、「AIタイトルアシスト(クローズドβ)」がリリースされました。
本記事の3つのタイトルは、ここまでの記事内容をもとにAIが出した案をそのまま使っています。

  • タイトル → ブログのタイトル付けにお悩みの方へ:SEO専門家が教えるポイント
  • 検索エンジン向けタイトル → ブログやオウンドメディアのタイトル作成の悩み解消方法
  • SNS向けタイトル → AIの力を借りて魅力的なブログタイトルを作ろう! #SNS #ブログ


いかがでしょうか? そこそこ良いものになっていますね。

もちろん理想的なタイトルではありません。このAIの提案の内容でしたら、特に検索エンジン向けタイトルは他との差別化を考えて具体的にするべきです。

私は多くの人に読んでもらいたい記事を書くときには、タイトル検討に一番時間をかけます。記事を書く時間の1-2割をかけてタイトルを考えることも多いです。もっと一目で印象付けられるようにできないか。SEOのために、より検索される単語はないか。表示を考えて1文字でも減らせないか。何案も作って色々と試行錯誤します。

今回は、自分で考える数百分の一の時間でタイトルを作ることができました。

現段階では「理想のタイトルをAIが作る」機能にはなっていません。ブログのタイトル作りが苦手な人や時間を節約したい人、自分で考えるために切り口のアイディアをほしい人、そんな方々には非常に便利な機能と考えています。

この機能はβ版です。正式公開までにもっと改善を進めると聞いていますし、この機能で使われている生成AIもすごい速さで進化を続けています。きっとどんどん理想に近づいていくことでしょう。

ぜひあなたのブログをより多くの人に読んでもらうために、3つのタイトル設定機能を「AIタイトルアシスト」でご活用ください。



ここまで、SEO専門家の辻正浩さんにブログのタイトルについて詳しく解説いただきました。
解説にある通り、タイトルは記事が読まれることに大きな影響を与えます。はてなブログは、はてなブログに投稿される良い記事ができるだけ多くの方に読まれるように、タイトルの改善を進めてまいります。

また、本記事の公開時点では、AIタイトル生成はクローズドβ期間で、一部のユーザー様のみご利用可能な状態です。ただし、クローズドβの対象となっていない方も、下記のURLよりお申し込みいただければ、随時クローズドβの対象に追加させていただきます。
お申し込みフォーム

お気軽にお申し込みください。どうぞよろしくお願いいたします。

By 辻正浩
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辻正浩

1974年北海道生まれ。営業、広告・Web制作を経てSEOの専門家として活動を始めた後、2011年に独立。株式会社so.la代表としてさまざまな規模・種別・業界のWebサイトのSEOに関わっている。特に大規模サイトの対応を得意としており、多数の日本有数の巨大サイトのSEO担当として検索流入拡大に取り組んでいる。 Webマスターと検索ユーザー、検索エンジンの三者が利益を受けるSEOを信条に活動中。

By 週刊はてなブログ編集部
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週刊はてなブログ編集部

週刊はてなブログ編集部は、株式会社はてなのメディア「週刊はてなブログ(週ブロ)」を運営する編集チームです。編集部のメンバーは、日々はてなブログを巡回し、多種多様なブログを見つけ出して週ブロや公式Twitterアカウントで紹介しています。

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