エンジニアのブログ活用って? 技術から日常、有料記事販売までざっくばらんに語ります! 【週刊はてなブログスペースふりかえり第2回】

こんにちは。はてなブログ編集部の大藤です! 8月も終わり、あっという間に9月になりますね。時が経つのは早いものです。

はてなブログでは、「週刊はてなブログスペース」と題して不定期でX(旧Twitter)でスペースを開催しています。スペースは、Xのアカウントを使って、音声会話をして、ラジオのように配信できる機能です。

このスペースでは、30分から1時間程度、はてなブログの永田と大藤が、はてなブログをより楽しんでいただくため、便利な機能やイベントの情報、おもしろい使い方を紹介しています。

今回は、ブログを活用するエンジニアの皆さんに向けて、株式会社はてなのCTOであるid:motemen をゲストに、「エンジニアのブログ活用って? 技術から日常、有料記事販売まで」について語った回を、改めて記事として紹介します。ぜひ最後までお読みください!

▼「エンジニアのブログ活用って? 技術から日常、有料記事販売まで」のスペースを聴きたい方はこちら!

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「オープンネスを大切に」 エンジニアにとって、ブログを書くことの価値って?

はてなブログでは、前身となるはてなダイアリー時代から、たくさんのエンジニアの方が技術についての記事を投稿しています。そうした活動を支援するために、法人のお客さまを対象とした、リーズナブルに技術ブログを運用できる「はてなブログ for DevBlog」を提供しています。

▼「はてなブログ for DevBlog」についてはこちら!
www.hatena.ne.jp

▼さまざまな企業の技術ブログを網羅的に見られる特設サイトはこちら!
hatena.blog

そこで、エンジニアとしてブログを書き続けてきたid:motemenに、改めて、エンジニアのみなさんにとって「ブログを書くこと」の価値とはどんなものがあるのか、を聞いてみました!

─── 早速ですが、エンジニアのみなさんにとってブログを書くことにはどういう価値があるんだろう? ということから聞いていきたいと思います。

motemen:

自分のバックグラウンドはWeb系のソフトウェアエンジニアなので、その観点からの話になりますが、もともと基本的な姿勢として「知識をオープンにする」という態度があると思います。

オープンソースソフトウェア(OSS)が端的な例ですが、「自分の知識やスキルの成果を他人にオープンな形で提供する」ということがひろく行われています。今の世の中を動かしているソフトウェアには、その文化によって成り立っている部分があります。

ブログを書いて、発信していくということの根底には、「インターネットを通じて、まったくの他人同士が触れ合うことで、世の中にいいものがもたらされる」っていうことが素直に信じられていることがあるんじゃないかなと。
また、 ソフトウェアエンジニアの経験というのは基本的には知識や情報なので、テキストという形で伝えやすく、ブログに書き残しやすいのかなと思います。

─── インターネットを通じて人同士が触れ合うことがいいものをもたらすって、すごく素敵な考え方ですよね。そして、そうした人と人が触れ合う場としてブログが使われているのは、光栄なことだと感じます。motemenさん自身はブログを書くということにどのような価値を感じていますか?

motemen:

自分の個人的な体験として、インターネットに触れて「こういうエンジニアを目指したい」と思ったのは、ほかのエンジニアのブログを読んだのがきっかけだったんです。エンジニアが書くブログは、読んだその瞬間だけにとどまらず、長く価値を保っているんじゃないでしょうか。

僕自身も、はてなのエンジニアに向けて、「オープンネスを大切にしよう。知識や経験を周囲に共有していこう」ということをいつも言っています。その一環として、ブログがあるのかなと思います。

─── 「オープンネスを大切にしよう」は、エンジニアコミュニティに限らず重要ですよね。前職の上司に「10人中9人は『何を今更』という反応だったとしても、ひとりでも『そうだったんだ』と思う人がいれば意味がある。どんなことでも技術の発信はしていこう」と言われたことを思い返しました。
コミュニティにおいて、ブログが書き残される重要性はすごくよくわかりました。一方で、ブログを書くということは、書き手自身にとってどんな効果があると思いますか?

motemen:

書き手としての1エンジニアという観点でいうと、その時々のスナップショットとしてブログを使っているところもあるんじゃないかと思います。

仕事や趣味で、日々新しいことを経験したり考えたりするわけですが、それを一度テキストの形で、ある程度他人にわかるように書いてみる。何かを身につけるのに一番いいのは他人に教えることだってよくいいますよね。それと同じで、身体の中にあるアレコレを一度きれいに並べてみないと記事にはならないわけです。書いてみる中で自分の理解があいまいなところがわかったり、新たな疑問が生まれたりして、さらに知識が定着し、深まっていく。この一連の作用も、公開されたブログを書くことの効能のひとつだなと思っています。

必ずしも何かだいそれたことをしたためるというのは必要ではなくて、自分をふりかえる機会として使えればいいんです。実際、日報や週報のように、短期で取り組んだことをブログに書き残している人も多くいます。

「ブログを書き続けるって意外と大変!」 ブログを書くモチベーションは?

ここまで、エンジニア、という主語に沿って、ブログを書く価値について聞きましたが、続いては、motemen個人の取り組みとして、ブログを書く大変さやモチベーションについて率直に教えていただきました!

─── motemenさんは忙しい中でもブログを更新している印象があります。どうやってブログを書くモチベーションを保っていますか?

motemen:

自分が会社のメンバーに「オープンネスを大切に」と伝えていることもあり、ブログなどでしっかり発信しなきゃ、という思いは強いですね。

一方でブログを書き続けるって意外と大変で。実は、去年(2022年)「毎週ブログを書くぞ!」というのを個人的にやってみたんです*1。そしたら、とにかく時間を捻出するのが大変でしたね。でも、反応が全然なくても毎週書くことにしているので、「次があるさ」で進んでいくことができました。また、主に記事のネタは自分が書いたコードについてだったので、ブログに書くネタを作るために、コードを書く理由を自分に作ってあげることができたなと思っています。

日記やエッセイなども、毎週書くことでもう少しネタの幅が持てたかもしれないな、とも思いますが、内面をさらけ出すようで書くのが怖い部分もあるんです。

───反応がなくても「次があるさ」で進めるって、ブログを書き続ける上で重要なマインドだなと思いました! 一方で、ブログはみんなに共有したい知見も、自分のちょっとした内面の変化も語れる自由な場所なので、そこをもっと活用できるといいですよね……!

エンジニアとブログとお金。有料記事活用について聞いてみました!

「ブログを書き続けるのは大変!」という話がありましたが、時間をかけて書いた記事をマネタイズできるといいな、と考えている方も少なくないのではないでしょうか。

はてなブログでは、6月28日に新機能をリリースし、記事を有料で販売することができるようになりました。

▼はてなブログ、記事の有料販売特設サイトはこちらです!
https://hatenablog.com/guide/selling

そうした中で、「オープンネスを大切にするカルチャー」とマネタイズをどのように両立していくのか、「エンジニアとブログとお金」というテーマに踏み込んで聞いてみました!

─── 有料で記事を販売するということは先ほどの「オープンネスを大切にするカルチャー」とは少し遠いのかもしれませんが、記事の有料販売についてどう考えていますか?

motemen:

はてなのサービスは、いろいろなオープンソースソフトウェア(OSS)に依存しながら開発・運用しています。また、はてなに限らず、他の多くの企業やソフトウェアを含めて、多くのプロダクトが依存しているOSSが、実はすごく少人数によってメンテナンスされているのが、よくある状況なんです。

OSSがいかに個人の動機によって開発されているといっても、それがよいもので、たくさんの場所で使われるに従って、依存関係が大きくなってしまいます。それ自体は喜ばしいことでもあるのですが、いろいろなプレッシャーがかかっていく中でバーンアウトしてしまう開発者も少なからずいます。

そんなふうに個人的なモチベーションだけを頼りにする構造自体が、持続可能じゃないですよね。個人のブログにもそういうモチベーションだけに依存しがちなところがあるんじゃないかと思います。

─── 確かに。開発してたくさんの人に使われるのはうれしい反面、対価がないという状況では心理的、経済的な負担感が大きそうですね。

motemen:

そうなんです。なので、株式会社はてなでは、今年、OSSに対する寄付をしました。はてなに限らず、最近では、OSS寄付をしている企業も増えてきています。

この「お金を払ってなにか作ってもらう」じゃなくて、「いいものを使わせてもらったので寄付という形で還元する」というのが面白いところだなと思います。モチベーションの出発点がお金じゃないので、そこが毀損されない形となっているんです。

OSSの場合、寄付すると、支援者という名目で企業や個人の名前を掲載されたり、何かしらプライベートなメッセージを受け取ったりといった形で、寄付のお礼が受け取れることがあります。

─── 「寄付で還元する文化」、面白いですね。はてながOSSに寄付している背景にはそんなことがあったんですね。

motemen:

と、ここまで長くなってしまいましたが(笑)、エンジニアが有料記事を書くことは、クローズドな情報を販売するというよりは「情報をオープンにすることへの対価」という形でとらえるとしっくりくるんじゃないかなと思います。記事の主題はオープンにしつつ、有料部分にちょっとだけ個人的なことを書くとかね。さっき僕も内面を記事にさらけ出すのは怖いと言いましたが、お金を払って自分の記事を買ってくれるくらい気にかけてくれる人にだったら、さらけ出してみてもいいかな、と。

また、ブログって基本的に自分の場所なので、多少個人的なことを書いても許されると思うんですよ。「許す」というのは、自分が自分に許すかどうかのことなんですけど。その気軽さと私的さは、ブログならではなんじゃないかなと思います。

そういう積み重ねで、支援者と書き手をつなぐ新しいコミュニケーションができるんじゃないかな。

─── 「支援者と書き手をつなぐ新しいコミュニケーション」! どんどん生まれて欲しいです! 今回のお話、有料記事の販売機能と聞いて「ウッ、自分にはお金を払ってもらうようなことは書けないかも」など、ハードルを感じてしまう方に参考にしていただけるとうれしいですね。


今回は、「エンジニアのブログ活用」について、はてなCTOのid:motemenに語っていただきました! 最後まで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました!

今後も、インターネットがよりよく使われるよう、Xのスペースやこの週刊はてなブログを通して、はてなブログから積極的にメッセージを出したり、ガイドラインの整備などを続けたりしていく予定です!

引き続き、はてなブログをよろしくお願いいたします。

By 大藤由緒
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大藤由緒

週刊はてなブログ編集部3年目。おおふじよしおと読みます。SF小説と京都が大好き。 築100年の京町屋をリノベーション中。インテリアや部屋紹介の記事をついつい読んでしまいます。

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motemen

株式会社はてなCTO。はてなのエンジニア組織である技術グループの普段の様子や開発の裏側を紹介するポッドキャスト、「バックヤードはてな」のホストも務めている。
ポッドキャスト「Backyard Hatena」はこちらのリンクからSpotifyで聞くことができます!