趣味も仕事も日常も。「ライフワークっぽさ」を感じるブログ

週刊はてなブログを運営する「週刊はてなブログ編集部」と、クライアントのオウンドメディア記事を制作する「はてな編集部」が合同でブログを紹介する連載企画「編集部が気になるブログ」。今回ははてな編集部の竹野がはてなブログの中から「ライフワーク」をテーマに紹介します。

こんにちは、はてな編集部の竹野です。

普通の人の「人生」にまつわるコンテンツが好きです。今回は私の最も好きな言葉の一つ「ライフワーク」についてです。

ライフワークとは……手元の辞書を引くと、「一生をかけてする仕事/一生をかけてつくった作品」(三省堂国語辞典より)と説明されています。

一生をかけて――。この言葉、皆さんも憧れませんか?

今回ははてなブログに投稿されているエントリーから、趣味・仕事・日常とジャンルは異なるものの、「これって、この人のライフワークなのでは?」と私が勝手に感じているブログをピックアップして紹介したいと思います。

休日に「東海道五十三次」を歩く

Image: 会社員の東海道53次旅行記・東京〜京都完全踏破①【日本橋〜品川】 - 旅の記憶

東京と京都、何度も移動したことがあるし、京都は幾度か訪れた。雰囲気も言葉も風土も違う事は知っている。けれども、どのようにこの都市間で文化が移ろい、変化していくのかは全く知らない。そして、昔の人達は、その都市間を歩いて、移ろいを肌で感じていたんだ。新幹線も飛行機もある現代に、昔の道を辿ることは、新鮮な体験になるのではないかと思った。

会社員の東海道53次旅行記・東京〜京都完全踏破①【日本橋〜品川】 - 旅の記憶

コロナ禍で「国内で冒険的でスリリングな旅をしてみたい」。そう思っていたsampit77さん(id:sampit77)は、ある本と出合い、「東海道五十三次」を徒歩で旅するようになります。

徒歩旅行ならではの視点、ふらっと立ち寄る自由さ。一つひとつのエントリーが写真豊富で楽しい! ぜひ初回から読んでみるのをおすすめします。

大型連休に一気に踏破することはしません。近くまで電車で行き、一定区間を歩いて、戻る。それを繰り返す長い旅。

ゴールデンウイークはどうしようか。連日思いっきり東海道を歩きつづけるのも素敵だ。しかしそれは思いとどまった。東海道を歩くことは私にとって、日常の中でのライフワークなのだ。5日間働いて、休みの日に歩く。あくまでそのリズムの中でやるからこそ、面白いし、何よりもイカれた試みなのだ。

和歌山・徳島旅行記① 近鉄特急ひのとりと雷雨の高野山 - 旅の記憶

まさに「ライフワーク」と呼ぶにふさわしい、こだわりの趣味だと思います。

sampit.hatenablog.com

あんこ菓子を求めて全国行脚する

Image: 怪物あんこ🤩昔きんつばvs3倍どら焼き - 週刊あんこ

今回の久しぶりの東海道あんこ旅で出会った一本勝負のボンバーあんこ二品、東海道をつくった家康公も天上から「わしも食べたかった」と嘆いているに違いない。

怪物あんこ🤩昔きんつばvs3倍どら焼き - 週刊あんこ

ひたすら同じ食べ物をレビューするブログを読むと、「これはもはやライフワークだな」と感じることがよくあります。

そんなブログの中から紹介するのは、さとう祐介編集長(id:yskanuma)の『週刊あんこ』。

紹介したエントリーのように「こんなにあんこぎっしりのどら焼きがあるの!」「四角じゃなくて丸いきんつば!?」と、あんこ菓子のインパクトに驚くこともたびたびです。

2017年2月にブログがスタートしたときに、開設の動機が記されています。

悲しいことに、いい和菓子屋や和菓子職人が後継者不足で店を畳んだり、将来を憂えている現実に出会ってしまいました。特に地方の和菓子屋さん。

これはいかん。

こんなに素晴らしいあんこ文化が消えていいものか。

で、ほんの少しの力ですが、立ち上がることにしました。

はじめまして。「週刊あんこ」編集長です。 - 週刊あんこ

「文化を残したい」という気持ち&あふれる「あんこ愛」に感化されて、地元や旅先でついついあんこ菓子を探してしまうようになったのは私だけでしょうか?

syukan-anko.hatenablog.jp

板前歴20年の職人が伝えるレシピ

Image: 【板前レシピ】筍(たけのこ)/刺身/作り方 - ちっぴぃクッキング

ただ、なんとなく切ることが、間違いだということではないのですが、

食材一つ一つの特徴や違いを知り、目的に合わせて切り方を変える。

小さなことのようで、実はかなり重要なことなのであります。

【板前レシピ】筍(たけのこ)/刺身/作り方 - ちっぴぃクッキング

20年ほど板前をしているちっぴぃさん(id:chippy55)。その職歴だけで料理がライフワークだと思うのですが、長年培った料理人の技術を惜しげもなくブログで発信しています。

紹介したエントリーは私がこの時期に食べたくなるタケノコのレシピなのですが、春夏秋冬、季節の食材のさまざまな調理法を丁寧に解説する姿勢に頭が下がります。

Image: 【板前レシピ】アケビの皮/あく抜き/食べ方 - ちっぴぃクッキング

例えば「アケビの皮」のレシピなんて、ほかの料理ブログでは見かけませんよね? 料理のデータベースとしてもめちゃくちゃ有用だと思います。

時折休止していますが、次のレシピ記事への「仕込み期間」だと思って気長に更新を待っています。

itamae-recipe.com

フードカメラマン兼ライターの記録

Image: 原点回帰。 - 永谷正樹、という仕事。

現状に満足して、流されるように生きていてはダメだ。常に飢えていて、オレはここにいるぞ!と手を挙げ続けなければ、誰からも見向きされなくなる。それがフリーランスの世界だ。

処世術や小手先だけのテクニックは捨てよう。写真が好きで、取材が好きで、仕事が好きで、作品と企画書を持って編集部を訪ね歩いたことを思い出すのだ。もう一度原点に立ち返ろう。

そう考えたら、ワクワクしてきた。オレの人生はまだまだこれから。思う存分、自由に、楽しく生きてやる。必ず道が拓けると信じて。

原点回帰。 - 永谷正樹、という仕事。

編集という仕事柄、ほかの編集者の方やライターさん、カメラマンさんのブログをチェックすることも多いです。

お気に入りは、フードカメラマン兼フードライターとして活動する永谷正樹さん(id:nagoya-meshi)のブログ。写真が美しくて見入ってしまったり、熱のこもった文章に心打たれたり。

ライフワークを突き詰めると、その人だけの唯一無二の仕事・作品になる側面があるのではないでしょうか。そう考えると、『永谷正樹、という仕事。』というご自身の名前を冠したブログタイトルは素敵ですよね。

私も「『私という仕事』をしたい」と思わせてくれるブログです。

nagoya-meshi.hateblo.jp

晴れていても曇っていても定点観測

「一生をかける」という強い意志がないとライフワークは生まれないのでしょうか?

そんな意志があってもなくても、結果的に「一生をかけたもの」になることもある。そんな観点で紹介したいのはazuminoyamatosoraさん(id:azuminoyamatosora)の『北アルプス定点観測日誌』。

Image: 223/04/09 日曜日 部屋の片付け - 北アルプス定点観測

北アルプス定点観測日誌

2023年4月9日日曜日

9:55 安曇野は快晴 現在気温7℃

223/04/09 日曜日 部屋の片付け - 北アルプス定点観測
Image: 2023/04/08 土曜日 サクラ散り始め - 北アルプス定点観測

北アルプス定点観測日誌

2023年4月9日日曜日

9:55 安曇野は快晴 現在気温7℃

2023/04/08 土曜日 サクラ散り始め - 北アルプス定点観測

……と、こんな調子で、安曇野から見える北アルプスの山々の写真と日常がつづられます。

2020年4月から貫き通しているこのスタイル。一つひとつのエントリーは「日常」なのに、毎日続くことでブログ全体が「作品」のように見えてくるのです。

azuminoyamatosora.hatenablog.com

「ゆるーく」ないお弁当ブログ

Image: 20230407鶏もも肉のカレーソテー弁当【プラス学童弁当】 - ゆるーく続けるまいにち弁当。

はてなブログには、350を超えるブログが参加している「お弁当 - はてなブログ グループ
」があります。

最後は、そのグループからクローバー (id:clover84) さんの『ゆるーく続けるまいにち弁当。』 を紹介。夫婦とお子さん(新年度から長男が小6、長女が小2、次女は保育園年中)のお弁当と日常の記録。

2017年から継続していて、「ゆるーい」気持ちじゃこんなに長期間続かないのでは……? といつも思っています。まだまだ続きそうで楽しみです!

こちらも、お弁当づくりという毎日の記録が積み重なって、「ライフワークっぽさ」を感じる内容になっています。

mainichibento.hatenablog.jp



私が「ライフワークっぽさ」を感じるブログは、

  • 対象への愛や思い入れを感じる
  • 長期間にわたって継続している

というところが共通点でしょうか。

そして、ブログは長期間の記録にめちゃくちゃ適している! と気付きました。

残念ながら、私は「ライフワーク」と呼べるものはまだ見つかっていませんが、今回紹介したブログが更新されるたびに、「自分にもまだ何かできるんじゃないか」「あきらめたらそこで……」と奮い立つのです。

あなたの「ライフワーク」もぜひ書き残してもらえるとうれしいです。

By 竹野雅人
Profile

竹野雅人

はてなスタッフ。出版社、ポータルサイト運営会社を経て、2019年にはてな入社。編集に関わる。