三日月宗近、へし切長谷部、膝丸など美しい刀剣が京都に集結! 特別展「京のかたな」発表会レポート

2015年にスタートして以降、アニメや舞台など幅広い展開で人気を集めているゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(以下、刀剣乱舞)。名だたる刀剣が「刀剣男士」と呼ばれる“戦士”の姿で登場しており、歴史改変を目論む敵勢と戦いを繰り広げていくという内容が描かれています。

実在する名刀も作中に登場するため、実物を見ようと全国各地の博物館に多くのファンが訪れることでも話題に。はてなブログにも、ゲームをきっかけに刀剣鑑賞を楽しむようになったファンが続々と感想を投稿しています。

v-simple.hatenablog.com
toukenranbudanshi.hatenablog.com
www.hizano-mae.com
saniwanakaaki.hatenablog.jp

こうした刀剣ブームの中、「特別展 京(みやこ)のかたな 匠のわざと雅のこころ」が、京都国立博物館(京都市東山区)で2018年9月29日(土)から11月25日(日)まで開催されます。120年の歴史を誇る京都国立博物館において、初の大規模な刀剣展覧会になるとのこと。同展では、刀剣乱舞とのコラボレートも展開されます。はてなブログ編集部は、開催に先立って行われた記者発表会を訪れました。

京都国立博物館で初の大規模な刀剣展覧会

京のかたな
https://katana2018.jp/katana2018.jp

同展は、現存する山城系鍛冶(京都の刀工による刀剣)の作品のうち、国宝に指定されているほぼ全ての作品と、著名な刀工による代表作を中心に構成するそう。館長の佐々木丞平さんは「(同展の)担当者は、何年も掛けて準備に取り組んできた。刀剣だけの特別展覧会は珍しい。そういう意味でも、この展覧会には力を入れている」とコメントしました。

同展を担当する主任研究員の末兼俊彦さんも「(京都国立博物館における)120年の歴史の中で、初めて刀剣をメインにした特別展となる」と説明。国内にある4つの国立博物館での展示を含めても、1997年に東京国立博物館で開催された『日本のかたな─鉄のわざと武のこころ─』以来21年ぶりの大規模な刀剣展覧会になるとのことです。

展示は、歴史に沿って以下の全8章で構成されます。

  1. 京のかたなの誕生(平安時代)
  2. 京のかたなと後鳥羽天皇(鎌倉時代前期)
  3. 京のかたなと吉光(鎌倉時代中期)
  4. 京のかたなの興隆(鎌倉時代後期)
  5. 京のかたなの苦難(南北朝~室町時代中期)
  6. 京のかたなの復興(室町時代後期~桃山時代)
  7. 京のかたなの展開(桃山時代~江戸時代前期)
  8. 京のかたなと人びと(江戸時代中期~現代)
京のかたな

第1章「京のかたなの誕生(平安時代)」では、国宝に指定されている「太刀 銘三条(名物三日月宗近)」が登場。京都国立博物館で展示されるのは今回が初です。この他、三日月宗近を打った刀工・三条宗近の作品である重要文化財の太刀2振りも展示。三条宗近の作品が3振りそろうことについて、末兼さんは「大変稀有(けう)な機会」と説明します。

京のかたな

第3章「京のかたなと吉光(鎌倉時代中期)」では、後鳥羽天皇の御番鍛冶(後鳥羽上皇による招集のもと、1カ月交替で勤番した刀鍛冶)を務めた粟田口派の作品と、京刀の完成形を作ったとされる刀工・粟田口吉光の作品を重点的に紹介。「短刀 銘吉光(名物後藤藤四郎)」をはじめとする国宝はもちろん、重要文化財も含めて16の吉光作品を用意するとしています(2018年6月発表時点)。末兼さんは「吉光(の作品)がこれだけ集まった展覧会は、日本でもあまりないのではないか」とコメント。

京のかたな

展覧会を締めくくる第8章「京のかたなと人びと(江戸時代中期~現代)」では、京都・石清水八幡宮に所蔵されているインドネシアの刀剣「クリス」も展示されます。

京のかたな 会場では、刀を間近で鑑賞できるようにと2振りの刀が用意されていました。実際に触れることも。
京のかたな 持ってみると、意外と重い
京のかたな

「刀剣乱舞」とのコラボも! 展示される刀剣は

刀剣乱舞とのコラボでは、作中にも登場する「三日月宗近」「へし切長谷部」「膝丸」など人気の刀剣が20振り以上展示されます。2018年7月時点で出展が決定している刀剣は以下の通りです。

三日月宗近/骨喰藤四郎/信濃藤四郎/明石国行/へし切長谷部
歌仙兼定/石切丸/秋田藤四郎/鯰尾藤四郎/謙信景光
千子村正/膝丸/鳴狐/前田藤四郎/五虎退
次郎太刀/陸奥守吉行/宗三左文字/後藤藤四郎/博多藤四郎
毛利藤四郎/同田貫正国
(※2018年7月時点)

https://katana2018.jp//collabo.html

同展のサイトでは、会期中に展示される各刀剣を前期(9月29日〜10月28日)と後期(10月30日〜11月25日)で紹介しています。前期には「明石国行」「謙信景光」「陸奥守吉行」など、後期には「石切丸」「骨喰藤四郎」「鯰尾藤四郎」などが登場します。「三日月宗近」「へし切長谷部」「歌仙兼定」「膝丸」など一部の刀剣は、前期・後期共に展示される予定です。

コラボの続報は、公式Twitterアカウント(@katana2018kyoto)でも随時発表されます。

前売り券は、公式サイトや各プレイガイドなどで購入できます。観覧料は一般が1,300円、大学生が1,000円、高校生が500円(全て税込み)。中学生以下は無料です。当日の観覧料については、サイトの案内をどうぞ。

名品に会いに行こう! 刀剣・美術館・博物館にまつわるはてなブロガーたち

はてなブログには、刀剣をはじめ、博物館や美術館で開催される展覧会の感想を書き留めているブロガーがたくさんいます。以下で、一部のブログをピックアップしてご紹介します。

刀剣

toukenranbudanshi.hatenablog.com

ブログ「#とうらぶ男子」のないな(id:poponainai)さんは、全国各地の刀剣展に足を運んでいる様子。展示の感想だけでなく、刀剣ゆかりの場所へ訪れた旅行記も楽しめます。

復元された幻の宝刀・蛍丸! 刀に興味がない人こそ見に行こう - 膝のまえのホニャララ
【2017年4月2日】ヱヴァンゲリヲンと日本刀展 - 審神者日和
【刀剣】大包平と大般若長光 - 刀剣へ仮託する四方山話
名刀紀行(徳川美術館) - 絵と刀と旅の記録
【お散歩】福岡県 光雲神社 - お散歩日和

美術館・博物館

nijihajimete.hatenablog.com

ブログ「雨がくる 虹が立つ」の虹(id:nijihajimete)さんがつづるのは、絵画を中心とした美術展の感想。展示内容そのものだけでなく、グッズやコラボカフェといった展示後の楽しみについても紹介されています。

あなたの悪夢 冨安由真展 資生堂ギャラリー 6/23 - 人の金で美術館に行きたい+読
古代アンデス文明展 - はるぴーの日常
美術展:望月宗生「QOL」展@FUMA CONTMPORARY TOKYO(八丁堀)に行ってみました。 - よろこんで!**してみました。
【上野】エッシャー展 ―絵の中の住人になれるデジタルフュージョンがおもしろい - 仏像、ときどきアート (旧)
チームラボ ボーダレスお台場に行ってきました - placebo
ミケランジェロと理想の身体 感想 - 展覧会感想
ルーヴル美術館展で購入した絵はがきについて - うさかめ美術部
「プラド美術館展」を観てきた - Ta283のブログ
元プーはじめ、横浜美術館『モネ それからの100年』、天王町『村田屋』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
【子連れ展覧会レポ】『音のアーキテクチャ展』in 21_21 DESIGN SIGHTに行ってきた(7歳) - こどものあそび観察日記
■有田の魅力展2018:香蘭社社長のお話から - コロコロのアート 見て歩記&調べ歩記
【モダンアートの元祖!?】モネ展の感想@横浜美術館 - まあるい頭をしかくくするブログ

あなたも、展覧会で見たものや感じたことをブログに書いてみませんか? 9月29日から始まる「特別展 京のかたな 匠のわざと雅のこころ」の感想もお待ちしています。


(※本記事の情報は、全て2018年8月時点のものです)