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【感想・考察】『ミッドサマー』で描かれる"フェスティバル・スリラー"を読み解く

アリ・アスター監督の映画『ミッドサマー』。


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スウェーデンの奥地で開かれる"90年に一度の祝祭"を舞台に描かれる、前代未聞の"フェスティバル・スリラー"*1である『ミッドサマー』は、2021年2月21日の日本での初公開から話題を呼び、現在はNetflixなどのサブスクリプションサービスで配信が行われています。

そんな『ミッドサマー』に関する、はてなブロガーたちの感想や考察をまとめました。

以降で紹介する感想・考察には「ネタバレ」的記述、及びショッキングな内容が多く含まれます。ご注意ください。

「テンプレ」なのに「逆の方向を行く」

hydra-uprixing.hatenablog.com

ホラー映画と聞いて雑にイメージするモチーフとして「暗闇」と「(人や怪異の)憎悪・悪意」が挙げられると思うが、この作品は「明るさ」と「慈愛・善意」が嫌というほど強調されている。

id:hydra221212さんは『ミッドサマー』のよかった点として「白夜という舞台装置を利用した、徹底した明るさ演出」と「壁画やちょっとした会話で仄めかされる村の風習の不気味さ、それとははっきりと対照的な村人たちの穏やかな立ち居振る舞い」を挙げながら、映画を分析しています。

「俺もホルガ村に片足突っ込み始めているのでは」

the-anchor7.hatenablog.com

自分では、ホルガ村星人になっていても気が付けなさそうだし、コミュニティから叩き出される時気がつくのかなーとか、ミッドサマーのラスト、それまでめっちゃニコニコしてたのに火が体について初めて痛がり怯える人を見て思ったりしました。怖いね。

あんかー(id:the_anchor7)さんは本作を見て、「僕がエンディングのダニーについて思ったこと」と「映画見て思った同じ価値観で集まったコミュニティの怖さというか俺もホルガ村に片足突っ込み始めているのではというTwitterやりながら感じている漠然とした不安」を語っています。

『ミッドサマー』と『新世紀エヴァンゲリオン』

www.saiusaruzzz.com

「自分」という個を生きなければならないのは、孤独と背中合わせなので、不安でその重みに時に耐えがたくなることがある。「個」ではなく「名もなき何かの一部」として決まりきったサイクルを歩むだけであれば、どれほど楽か。

うさる(id:saiusaruzzz)さんは、『ミッドサマー』で描かれている「『個』ではなく『名もなき何かの一部』として決まりきったサイクルを歩むだけであれば、どれほど楽か」というところが、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』においても描かれていたのではないか、と提起しています。

「喪失からの再生(のようなもの)、依存と自立とその先」

tsktsktsk.hatenablog.com

僕がこの映画を見ようと思い立った理由は、ファム・ファタールによる自己の破壊から自身が傷をどう癒やし、どう立ち直っていったのか、あるいは立ち直っていないのならこの先どういう意識でいればいいのかということのヒントがあるかもということだった。

本作を見て、「シンパシーやエンパシーを挟み込むためのではなく、自身のアイデンティティに引き寄せて解釈するための余地がある作品は、とてもよい作品であるという判断基準が僕にはあるが、序盤の段階でその部分はクリアされた」とT(id:tsktsktsk)さんは語りました。

「役割」という視点

0-namakemono-0.hatenablog.com

ホルガ村の人々も、本来人を殺すような残虐な人々ではないのだと思います。しかし、ホルガというサイクルを守る1つの役割を与えられたため、人を殺すことに疑問を抱かなくなってしまったのではないでしょうか。

野々上ののこ (id:o_NaMaKeMoNo_o)さんは本作を見て「ただ集団の中の1つの役割として動く人々の恐ろしさを思い知らされた映画だと思いました」といいます。「役割」という視点から見た『ミッドサマー』について書いています。

「ハッピーミッドサマー」

toratugumi.hatenablog.jp

別に私たちだって共同体を勝手に信じて期待している部分はあるし……何よりホルガは「決められた役割をこなせば一員として認められる」という部分は別に今の社会もなんら変わらないですからね。

id:toratugumi293さんは、ラストシーンで主人公・ダニーが見せた笑顔について「あの笑顔は、一度は恋人だった男がホルガに命を返したことにホルガの一員として満足した笑顔じゃないのか」と分析しました。

美しい悪夢

uyumel53.hatenablog.com

美しいシーンばかりだったのに、まるで悪夢を見ているかのような二時間半だった。こんな感覚は初めてだ。映画の後友人とご飯を食べて関係ない話をしながらも、どこかで胸がざわざわ、頭の中で疑問点がぐるぐるしていた。

本作が「初めて自分の足で観に行った洋画かもしれない」という、id:uyumel53さん。「友人が『あれで最後ダニーは幸せになれるのかな?』って言っていたけど、なれるんじゃないかなって私は思ってしまう」とつづっています。

『ミッドサマー』と『コンビニ人間』

aogigi.hatenablog.com

現代でも社会の歯車になって無個性で生きるのはあまり支持されていない。ひとりひとり個性を活かし、自分らしく生きることこそが幸せだと教えられている。
でも本当にそうなのか。

id:giaoさんは『ミッドサマー』と村田沙耶香さんの小説作品『コンビニ人間』を受けて抱いた疑問について語っています。「今後は上記2作品の様に、歯車の1つとして没個性的に生きる姿に共感する人が増えるかもしれない」と書いています。

ダニーが泣くシーンから見る『ミッドサマー』

fjwrmnrsn.hatenablog.jp

思い返せばホルガ村に来る前来た後とではダニーの泣くシーンに大きな違いがあるように思う。ホルガ村に来る前でダニーが泣いた場所は、ダニーの部屋・大学院(?)のトイレ・飛行機のトイレとなっており、これは全て個である。

id:fjwrmnrsnさんは、「ダニーが泣くシーン」に注目して本作について書いています。ダニーが泣く場所は「ホルガ村に着いてからは、広い草原・共同で寝る家などで常に開けた場所だった……」と映画を振り返りました。

「『ホルガ』という空間のシステム」

gishiria.hatenablog.com

鬼気迫る演技に見せ場のある作品なので、人間ドラマについては見れば分かる。云うことなし。でも結局、映画の中では「ホルガ」という空間のシステム自体は外側から解体されなかった

ぎしりあ(id:orangecosmos20)さんは、『ミッドサマー』で描かれる「ホルガ」について、5つの視点から分析しました。作中に描かれる「ホルガ」についての考察を読みたい方は、ぜひ読んでみてください。

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