
この記事を読むのは映画を観てから、を強く推奨します!
「君の名は。」、「天気の子」などで知られる新海誠監督の最新作、「すずめの戸締まり」が11月11日に公開されました。
公開されるやいなや、各メディアやSNSに感想や考察が投稿され続けている本作。はてなブログでも、11月第2週のランキング、11月第3週のランキングに関連記事が多数ランクインするなど、大きな話題となっています!
そこで今回は、はてなブログに投稿された、「すずめの戸締まり」に関する記事を集めました。
- いままでの新海誠作品を観てきた人はどう観たか?
- 語りたくなる魅力的なキャラクターたち
- 深くは語られない細かな描写についての考察
- 震災をモチーフにエンタメを作ることについて
- 「すずめの戸締まり」という作品から受け取ったもの
- はてなブログで話題になっているモノ・ヒト・コトを募集しています
- 今回紹介したブログ
いままでの新海誠作品を観てきた人はどう観たか?
「すずめの戸締まり」は自分で自分を救う話
「君の名は。」が大勢の人を救う話、「天気の子」が一人の人間を救う話だったのに対して、「すずめの戸締まり」は自分で自分を救う話。
もう少しだけ生きてみる 『すずめの戸締まり』感想 - 月記
新海誠監督の前々作「君の名は。」、前作「天気の子」を振り返りつつ、今作について書くのは ツキ(id:type-100) さん。
ファンタジーでありながらも、決着の付け方はどこか真面目な新海監督の語り口が好きだ、とつづります。
そこにあるのは、一人の少女の「小さな変化」だけ
徹底的に、リアルに「震災の映画」を描いているので、『すずめの戸締まり』の世界では、『君の名は。』や『天気の子』で起きたような世界や社会の形を大きく変えてしまうような出来事は起きない。
そこにあるのは、一人の少女の「小さな変化」だけだ。
【ネタバレ】映画『すずめの戸締まり』感想と解説。新海誠が描く震災と村上春樹のあの短編 - 社会の独房から
こちらは、11月第2週のはてなブログランキングにランクインした id:Shachiku さんのエントリー。
冒頭に「『君の名は。』は彗星落下、『天気の子』は豪雨、『すずめの戸締まり』は地震。これらは新海誠監督による自然災害3部作といっていいだろう。そして本作はその到達点である。」と書き、上映特典にもらえる「新海誠本」やパンフレットを引用しながら本作を読み解きます。
記事の最後に箇条書きで書かれた、「細かな好き」は、映画を見た人なら笑ってしまうくらい「わかる」の連続。
語りたくなる魅力的なキャラクターたち
主人公 すずめがとにかく可愛い!
それにも増して鈴芽が可愛い!
キャラデザはもちろん良いのですが、とにかく表情と動きが豊かで、見ていて飽きない。コメディもシリアスもこなし、素直に感情を表現するから感情移入があっという間です。あー、好きだー、これー - Ceramic moon Plastic stars
「愛すべき」としか言いようのない、魅力的なキャラクターが出てくるのも新海誠監督作品の特徴。
id:yoshimitaka さんは、主人公の岩戸鈴芽をはじめとした、主要キャラクターそれぞれの魅力を語ります。
最後に「嫌いなキャラというか、どうでもいいっていうキャラは一人もいなかった」と書いているところから、id:yoshimitaka さんが本作のキャラクターに愛着を持ちながら鑑賞した様子が伺えました。
深くは語られない細かな描写についての考察
印象的に描かれている水の表現と、入るのをためらう鈴芽について
最初の後ろ戸を見つけた時鈴芽が水に入るのをためらっていた描写があった。私はあれはただ単に靴が濡れるからということではなく、津波により被害を被った鈴芽が水を恐れている描写であると感じた。
『君の名は。』、『天気の子』から続くテーマ性の集大成『すずめの戸締まり』ネタバレあり感想 - SIGHtseeing
あえて説明せずに意味深なシーンを多く使う手法から、「この行動はこれが理由になっているのではないか」との考察も多く見られました。
序盤のシーンで主人公 すずめが見せた些細な仕草から、ストーリーを感じ取ったのは SIGH(id:sigh_xyz) さん。「なぜ閉じ師と鈴芽以外にミミズが見えないのか」、「なぜイスの脚が1本欠けているのか」についても考察しています。
震災をモチーフにエンタメを作ることについて
公式HPにも記載がある通り、本作は地震描写および、緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがあります。人によってはトラウマを呼び起こされそうな題材をモチーフにすることについては、多くのユーザーが意見を寄せました。
東日本大震災から10年以上が経過した今だからこそ、つくられるべき作品
東日本大震災から10年以上が経過し、コロナという全人類共通の猛威との戦いを経て共存が叫ばれる時代において、『すずめの戸締まり』は実在の事件や災害をエンタメにすることの意義と暴力性を考えざるを得ない作品でした。
だからこそ今つくられるべき作品であり、ヒットするべき作品である、というのがいまの私の感想です。
【ネタバレ】『すずめの戸締まり』感想と、俗情との結託について - esbee's diary
本作を通じて、観客は「自然災害は避けることができないこと、しかしそれすら忘れて(向き合い、受容し、乗り越えて)前向きに生きていかなければならないという感動的なメッセージ」を受け取るけれど、どうしてもそこに引っかかりを覚えたという id:esbee さん。
この作品は「事件や災害をエンタメにすること」について考えざるを得ない、とつづった上で、本作の大きなキーワードとなる東日本大震災から10年以上が経過した今だからこそ、つくられるべき作品だと語ります。
新海作品にとって意義のある挑戦だと思ったが、素直に前進とは思えなかった
全国民的アニメ大作でもう一度我々を311と向かい合わせる、それも判る。
しかしオレは「君の名は。」や「天気の子」がそうだったように、現実の災害を架空のフィクションを通過させて描く作品の方が好きだ。
「すずめの戸締まり」 フィクションと現実、そしてクイズ - 挑戦者ストロング
震災をモチーフにすること自体問題にしているのではなく、新海作品ならではのフィクションの力で描いてほしかったと記すのは pencroft (id:Dersu) さん。
「現実を想像力で捉え直した映画の方が好きだ。その方がより現実を捕獲(captured)しうるのだと、フィクションにはそういう力があるのだと信じこんでいる」と続けています。
この挑戦の成否の判断こそが、この映画がわたしたちに手渡した荷物なのかもしれない
新海誠は極めてクレバーな作家だと思う。だからそうした倫理的な非難を引き受けて、東日本大震災という出来事を、むき出しのかたちで表象しなければならないという使命感――それもある種の倫理なのだろうと思う――によってこの物語は語られたのだ、とも思う。その挑戦の成否を、わたくしはうまく判断できずにいる。それがこの映画がわたしたちに手渡した荷物なのかもしれない。その重い手触りを、いまずっしりと感じている。
喪失、災い、旅立ちの荷物――『すずめの戸締り』感想 - 宇宙、日本、練馬
あえて震災というテーマを取り扱った新海誠監督の挑戦について、「うまく判断できずにいる」と書きながらも、それこそがこの映画がわたしたちに手渡した荷物なのかも、と書くのは ねりま(id:AmberFeb) さん。
こうした議論を起こすことで、結果的に再度自然災害の恐ろしさや東日本大震災の日を思い返させることこそ、新海誠監督の狙いだったのかもしれません。
「すずめの戸締まり」という作品から受け取ったもの
この、「生きるって本当はこういうことだ」を肯定的に描いてみせ、希望を示すこと、それが今作『すずめの戸締り』の通奏低音で、前作『天気の子』ではあまり聞こえてこず、前々作『君の名は』でもそんなに強く聞こえてこなかったものだった。私は、ここが本作のいちばん濃いエッセンス、主題に限りなく近いものだと想像する。
生きるって本当はこういうことだ──『すずめの戸締り』雑感 - シロクマの屑籠
最後に紹介するのは、11月第3週のはてなブログランキングにランクインした シロクマ (id:p_shirokuma)さんのエントリー。
「とても良い映画だったけれども自分のストライクゾーンとは違うと感じた」、「この作品のターゲットに自分自身が含まれていない気がした」と書きつつも、新海誠監督に対して「こんな創作ができちゃうのかと痺れまくった」とつづります。
この物語のベースは、「生きるって本当はこういうことだ」ということを肯定的に描いてみせ、希望を示すことなのではないか。
そんなふうに受け取ったというシロクマ (id:p_shirokuma)さんは、こんな言葉で記事の最後を締めています。
ああ、そうやって考えてみれば、自分のストライクゾーンではなくても、この作品は私になんらか効果があった作品だったわけだ。生きて、生きて、いつか私は死ぬのだろう。その日まで、良く生きたい。──そんなことを私はこの作品から受け取ったのかもしれない。
生きるって本当はこういうことだ──『すずめの戸締り』雑感 - シロクマの屑籠
まだまだ語り尽くせないほど魅力が多くある、『すずめの戸締まり』。
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藤野在紗
1991年生まれ。ライター 兼 シナリオライター 兼 一児の母です。ハロプロと深夜ラジオと寿司が好き。インターネットのやりすぎで常に眼精疲労と肩こりがひどいです。