※キャンペーンは終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。
【書籍のプレゼント情報あります!】
ブログ「山と温泉のきろく」で温泉や食、山への旅について書いている月山ももさんに、書籍『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』執筆の決定から出版するまでの心境や考えたことについて寄稿いただきました。記事末にプレゼント情報もあります! この記事は、はてな×KADOKAWAで取り組む「ブログ書籍化プロジェクト」で出版される書籍のプロモーション記事です。
こんにちは。山と温泉を愛する女ひとり旅ブロガー、月山ももと申します。
会社勤めの傍ら、日本各地の山や温泉を目的地にひとり旅を楽しみ、「山と温泉のきろく」なるブログを更新しています。温泉旅を始めて十数年。登山を始めてからはもうすぐ丸10年になります。
私は普段、1軒の宿を紹介するのに1万字ほどテキストを書き、100枚近い写真と共に掲載しています。
紹介する宿で「こんなに食事の量が多いと思わなかったよ!」というようなミスマッチを防ぐためにも、なるべく詳細にレポートしたいと思っています。例えば2回以上泊まった宿でも、食べたもの全部の写真を載せるようにしています。
また「日帰り登山と温泉宿」「1万5千円以内で土曜日も一人で泊まれる」というような、テーマに沿って何十もの山や宿を紹介していく記事も書いています。ブログではこういった情報をぎっしり詰め込んだ記事が、たくさんの方に読んでいただけることが多いです。
* * *
この度、はてな×KADOKAWAの書籍化プロジェクトにお声がけをいただき『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』というタイトルの著書を出版しました。
- 作者:月山 もも
- 発売日: 2020/10/29
- メディア: 単行本
しかし、書籍はどうしてもページに限りがあります。自分のブログのように、画像や情報を盛り盛りに詰め込むのは難しいことです。
もしかしたら、普段の私のブログを読んでくださっている方には
「書籍にはブログ以上にたっぷり情報があると思ったのに、期待はずれ!」
と言われてしまうかもしれないなあと、この記事を書いている今、少し恐怖を感じています。
なので。この場を借りて先にお断りしておきたいのですが、たっぷりの情報はブログにあります。書籍には、厳選された情報と、ブログには書いたことのない思いや、ノウハウと、エッセンスを詰め込んだつもりです。
そして、本の執筆を始めた2019年秋の私は、その数ヶ月後に世界がどうなっているかなんてまるっきり想像していませんでした。新型コロナウイルスの影響で、山や温泉どころか、電車に乗ることすらはばかられる日が来るなんて、思いつくはずがありませんよね。
この記事では、出版に至るまでの長く悪戦苦闘した道のりやコロナ禍でのプレッシャー、戸惑った書籍とブログの書き方の違いなどについて、紹介させていただきたいと思います。
「一人」をメインテーマとして本の執筆へ
山に登るときも温泉旅に行くときも、好きな店で外食するときも、私はほとんど一人です。一応「この人と一緒なら旅や山も楽しい」という相手も、少ないながらいることはいるのですが、大人になるとなかなか、頻繁に都合を合わせて出かけるということは難しいものです。でも、温泉にも山にも行きたいし、おいしいご飯を食べてお酒を飲みたい! だから、いつも一人で出かけてしまいます。
「ひとり旅が趣味で」とか「一人でも飲みに行きますよ」と言うと「格好いい!」とか「一人は気楽でいいよね」と言っていただけることもありますが、
「おいしいものを食べたりきれいな景色を見たりしても、共感してくれる人がいないとつまらなくない?」
と言われることもまた、多いものです。
おそらく、世の人は大きく2つに分かれるのではないでしょうか。「楽しむときは誰かと一緒がいい」人と「一人でも存分に楽しめてしまう」人です。
私自身はもちろん後者です。ただ、世界は「楽しむときは誰かと一緒がいい」人を基準にして作られているように思うのです。一人では泊まれない宿もたくさんあるし、一人で入ったお店で居心地の悪い思いをしたことも少なくありません。
でも、「一人」になることを避けるために、大して好きでもない相手と行動を共にするのは、もっと嫌なのです。
だからこそ、一人でも気持ちよく過ごせる貴重な宿や店は多くの人に知ってもらって、繁盛してもらいたい! 私がずっと通い続けられるように。
ブログ「山と温泉のきろく」は、そのことを一番大きな目的として、更新を続けてきました。
2019年の秋に、KADOKAWAの編集の方と初めてお会いした際、「月山さんのブログは温泉や登山の情報がたくさん詰まっていることが最大の魅力だと思います」と前置きされた上でこう言われたのです。「『一人』を主要なテーマの一つとして入れていただきたい」と。
実は、以前にも「一人」をテーマに出版のお話をいただいたことがあったのです。しかし、「ブログ書籍化」とはいうものの、誰かが私のブログを書籍にしてくれるわけではなく、自分で一から書き下ろすのですから、その間はあまりブログの更新はできないでしょう。
好き放題に書きつづってそこそこ多くの人に読んでもらえるブログ、という環境を既に持っていた私にとって、書籍の出版はブログの更新を止めてまでやりたいこととは思えず、実現に至りませんでした。
そのことがあったので、今回もだいぶ迷ったのですが、編集担当のJさんとお会いすることになりました。そこでお話ししたところ、目次の構成と『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』というタイトルがするっとまとまってしまい、その先の編集会議もすんなり通ってしまったのです。そして、2019年11月には「書き始めてOK」という知らせが……。
幸い、短期間でひねり出したわりには、目次もタイトルもわりと気に入ってはいました。それで「ここまで来たら仕方ない。自分の名刺代わりになるような、価値のある書籍を作るしかない」と覚悟を決めました。
ブログとは違う、「文字数」との戦い
『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』という書名にのっとり、本の目次は「第1章 ひとり酒」「第2章 ひとり温泉」「第3章 ひとり山」、そして「第4章 ひとり旅」の全4章で構成されています。
執筆を開始してから、まずは第1章の「ひとり酒」を3週間ほどで書き上げました。「酒」と銘打ってはいますが、一人行動の基本ともいえる、一人での外食についてのお話です。
今となってはやや高いお寿司やフレンチレストランにも一人で足を運ぶ私ですが、かつては喫茶店に一人で入ることさえ緊張していた時代もありました。また、やや値が張るタイプの店では特に、一人客を歓迎しない店も多いことは間違いありません。
喫茶店から始まって、やがてお酒を飲む店にも一人で行くようになり、寿司やフレンチへとステップアップしていった私自身の体験談と、その過程で考えた「こうすれば、こういう店なら一人でも大丈夫」というノウハウをまとめています。
2019年12月。
書き終えた1章を提出すると「内容は素晴らしいのですが……少々長いので文字数を削れませんか?」との返信がありました。計測すると、1章で3万5千字ほど書いています。ブログにたっぷりの情報を詰め込むことに慣れていたので、あまり長さを感じていなかったのです。
え? これそんなに長いですか? 目次に沿って書いていくと、2章以降は1章あたり5万字ぐらいになりそうなんですが……。
ブログをはじめWeb上に掲載する文章なら、中身が伴っていればテキストのボリュームはそこまで大きな問題にはなりません。しかし、書籍は紙に印刷しますから、長ければ分厚く、値段の高い本になってしまいます。
決定済みの目次には、酒も温泉も山も幅広く、がっつり入れてしまっています。全20万字の本にして書名を「ひとり大全」に変えてはだめですかね……?
しかし、今回の書籍のコンセプトは「一人で楽しみたいけど、やり方がよくわからない」。いわば初心者に向けた本なのです。分厚く値段が高くなってしまっては、とっつきにくく、気軽に手を出しにくい本になってしまう。これは、文字数を削るしかないですね……。
年が明けて2020年1月のとある金曜日。
編集担当のJさんと新宿の喫茶店で相談し、今後は各章2万7千字、全12万字を目安に書いていくことに決めました。既に3万5千字書いていた第1章は8千字削ることになります。8千字……削れるのか私???
先行きに不安を感じながら、人であふれる金曜夜の新宿3丁目でJさんと別れましたが、彼と直接顔を合わせたのはこの時が最後になりました。そう、コロナ禍の到来です。
1章を書いた後「月山さんは1章書くのに1ヶ月かからなかったから、この調子でいけば3月末ごろまでには残り3章書けるんじゃないですか?」なんて言われましたが、そうは問屋が卸しません。苦しみながらなんとか8千字削った時点で2月。そして、その頃にはコンビニやドラッグストアの棚から、マスクが消えていました。
コロナ禍で自宅にこもり、温泉宿への思いをつづる
第2章の「ひとり温泉」は、一人で温泉宿に泊まることについて書いた章です。温泉は、いわゆる「日帰り入浴」でも楽しむことができますが、私は「温泉宿に泊まって過ごす時間」がとても好きなので、宿泊に特化した内容になっています。
私自身がひとり温泉旅を始めた頃のお話と、一人でも居心地よく過ごせるのはどんな宿か、自分に合った宿をどうやって見つければいいか。もちろん、おすすめの宿の情報も文字数が許す限り掲載しました。
旅にかけられる時間やお金の大小は人によって異なります。空いている平日に高級な宿に泊まれば、素晴らしい体験ができる可能性は確かに高くなります。でも、土曜日に1人で泊まれて、食事もお湯もよくリーズナブルな宿はたくさんあるし、普段の生活で節約して高級宿に泊まるよりも、気張らない宿の方が楽しめる場合もあるでしょう。
「万人にとって最高な宿はない」と私は思うので、自分に合った宿を見つけると楽しいし、こういうふうに見つければいいんじゃないかな?ということを書きました。
これまで泊まった、心に残っている宿をできるだけたくさん紹介したいけど、文字数の制限があるためできる限り簡潔に書き、書いた文章をまた削る。その作業が想像以上に大変で、ようやく2章が書き上がったのは3月中旬ごろ。
その頃にはオフィスに出社することはほぼなくなり、毎日テレワークで仕事をしていました。
「遅れてすみません。まだ2章までしか書けていません」
「というか、こういう状況ですけど、この後も書き続けていいのでしょうか?」
2章の原稿を納品するメールにそう書いたのですが、返信は「こういう状況下ではありますが、書き続けてほしい」でした。
しかし、次の章に着手して間もなく緊急事態宣言が発令され、温泉や登山どころか、電車に乗ることすらままならない日々に突入します。
やっぱり山はいい! 高尾山に後押しされて
第3章「ひとり山」は、1章2章と同様に「これから一人で山に登ってみたいと思っている人」や「一人で山に登り始めた人」に向けて書きました。
ところがこの章の執筆中に、富士山や南アルプスの山小屋の多くは2020年いっぱいの休業を決定し、ゴールデンウィークには上高地も閉鎖されてしまいます。登山の素晴らしさを伝え、おすすめの山を紹介したところで、山に登れる平和な日々はいつになったら戻ってくるのでしょうか?
そんなことを考えて遅々として筆は進まなかったのですが、GWを過ぎて徐々に感染者数が落ち着きはじめ、6月に緊急事態宣言が解除されると、私は高尾山に出かけました。
高尾山は、まだ他県への移動自粛要請が出ていたその時期に、都民である私が後ろめたい気持ちにならずに登れる山であり、かつて登山を始めるきっかけとなった山でもあります。
運動神経が良いわけでもアウトドアが好きなわけでもなかったのに、ふとしたきっかけで高尾山に登り、そこからどんどん山の魅力にハマっていった当時のことを、3章では書くつもりでした。
しかし、来る日も来る日も家に引きこもっている生活では、登山を始めた頃の「あの山にもこの山にも登ってみたい!」というワクワクした気持ちを、思い出すことが難しかったのです。
久々に高尾山に登ってみて「やっぱり山はいい!」という思いが湧き上がり、そこからようやく、書き進められるようになりました。
今、出版すべきなのか?という葛藤を越えて
最後の第4章「ひとり旅」は、旅行記です。その土地のおいしいものを食べてお酒を飲み、温泉に入り、ときには山も歩く。直近2~3年で特に印象に残っているひとり旅について書きました。
4章を書き始める頃には都内から他県への移動自粛期間も終わり、近々「Go To トラベルキャンペーン」が始まるらしい、というタイミングでした。しかし、東京都の感染者数はふたたび増え始め、キャンペーンへの批判の声も日に日に大きくなるばかり。
私は、まだ迷っていました。KADOKAWAさんの話では、こういう状況ではあるものの、すべての原稿を書き終えれば2ヶ月後には本は出る、とのこと。でも今「外食や旅の楽しさをうたう本」を出していいのでしょうか?
しかし、そうこうしているうちに大好きだった店や宿が、閉店・廃業するという知らせが次々と入ってくるのです。本の中で紹介予定だったお店が閉店することになり、掲載を見合わせた箇所もあります。
悲しい知らせを聞くたびに「批判を受けるかもしれないけど、何もせずに時間が過ぎていくことの方がつらいんじゃないか」と思ったのです。それで、この本が外食・旅行・登山業界が息を吹き返すための一助となることを願って、世に出していただくことになりました。
全4章、書籍1冊分の原稿を書き終えてみて、ブログの良さを再確認したことがありました。「いつでも情報を最新に更新できること」「好き放題に文と写真を詰め込めること」はブログの大きなアドバンテージです。
今回、本に入れたかったけれど文字数の都合でこぼれてしまった企画がいくつもあります。例えば「温泉旅や登山の持ち物リスト」もそのひとつ。でも、持ち物は、好みが変わったり便利な新商品が出たりしたらどんどん入れ替わっていくものです。いずれブログで公開し、更新していきたいなと思っています。
本とブログをきっかけに、旅する人が増えますように
コロナ禍の中、お住まいの地域や仕事の状況、家族構成などによっても「いつからなら出かけてOKか」という判断基準は変わってくると思います。「Go To キャンペーンで旅行している人も多いけど、そんな場合じゃないよ!」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
まだ収束に向かっているわけではないコロナ禍をはじめ、さまざまな事情で「今は一人で出かけるのは無理だな」という時期も、人生の中でたびたび巡ってきます。
しかし、そういう時期であっても、もしこの本を手に取っていただけたら……その土地で採れた食材を地酒と共にいただき、湯に浸かり山を歩く、ひとり旅気分をほんのりとでも味わっていただけるのではないか? と、おこがましいかもしれませんが、そんなふうに思うのです。
書籍とブログの書き方には大きな違いがあり、いろいろと戸惑った点もありましたが、自分でも納得できる本になったと感じています。本書に興味を持たれた方には、ぜひ、手に取ってみていただければと思います。そして、これからも旅とブログを続けていきたいと思っていますので、またブログを読みに来ていただけたらうれしいです。
「今は無理でも、次の季節にはきっと!」という旅への思いを、日々を生き抜くための原動力にしていただけたら、これほどうれしいことはありません。
私の本とブログをきっかけに、旅を楽しむ人が増えることを願っています。
著者:月山もも(id:happydust)
登山と温泉を絡めた一人旅が好き。ブログ「山と温泉のきろく」では、温泉宿への宿泊記、日帰り入浴記、旅の食事や登山の記録を更新しています。ブログ:温泉ブログ 山と温泉のきろく
Twitter:@happy_dust
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月山ももさんの著書『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』を抽選で10名様にプレゼントします。詳細は以下の応募要項をご覧ください。たくさんのご応募、お待ちしています!
応募要項
応募期間 | 2020年11月13日(金)~2020年11月19日(木)23:59 |
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賞品・当選者数 | 『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』10名様 |
応募方法 | この記事をはてなブックマークに追加 し「#月山ももさん本プレゼント」と記入してください。 |
抽選と発表 | 応募期間終了後に厳正な抽選を行い、当選ユーザー様の登録メールアドレス宛に送付先情報等を確認するメールをお送りします(取得した情報は本賞品送付用途以外には使用いたしません)。なお、送付先は国内に限らせていただきます。 発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。 |
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