懐かしいっていう感情は、きっと恋と同じ
香港、九龍城砦を舞台に、はたらく30代男女の恋愛を描いた漫画『九龍ジェネリックロマンス』。香港を舞台にしたオリエンタルでノスタルジックな世界観やさまざまな感情が交錯するラブストーリーはもちろん、話が進むにつれ明かされるSF・ミステリー要素も作品の魅力です。
昨年12月に発表された「このマンガがすごい!2021」オトコ編の3位に選ばれ、関心が集まる今作を、はてなブロガーの感想とともに紹介します。
謎が少しずつ明かされて、それによりまた謎が増えていく
ブレードランナーで提示された近未来ディストピアと、それのフォロワーのような世界観に凄く親近感を持っていて、廃退的SF世界観を体現する場所として、九龍城砦ってすごくなじみが深いと思うんですよね。
「人生で一番漫画を読んでいる」という べる (id:belphegor729)さんは『九龍ジェネリックロマンス』に感じるノスタルジーやキャラクターの魅力について熱く語っています。
まるでランダムにカードをめくって作品の属性を決めたような組み合わせ
香港・九龍城砦を舞台にしたOLの日常恋愛もの。の皮を被ったSFミステリー?
著者、眉月じゅんさんの前作『恋は雨上がりのように』を「最後まで読んでいない」というAQM (id:AQM)さん。今作を「観始めたらエンディングまでノンストップで観ざるを得ない映画メディア、もしくはある意味で浦沢直樹の近作のような作風」と語り、1巻1巻について語るより完結してから語るべき作品なのではないか、と考察します。
思えば、スイカはノスタルジーを誘う果物かもしれない
「スイカの石鹸を買った」というまほろば (id:sun3flowers)さん。そのきっかけとなった作品の1つが『九龍ジェネリックロマンス』だったそう。主人公の鯨井令子が好む「スイカとタバコの組み合わせ」から感じるスイカのノスタルジーについてつづられています。
煙草と言えば『九龍ジェネリックロマンス』が最高
九龍という舞台がまず良いし、ジェネリックテラ、いつもの店、新しい店、封鎖されたいつもの抜け道、知らない道など、登場人物の関係や感情(意識・無意識関係なく)との見事なリンクにため息しか出ない。
id:momomo815 さんは読書記録とともに『九龍ジェネリックロマンス』をブログで取り上げ、「一生連載してほしいし今すぐ完結してほしい」と感想を述べています。
映画よりももっと立体的に匂い立つ数々のシーンよ!
相変わらず九龍の風景がたまらなく魅力的で、食べ物がアツアツで、人間が生臭い
今作について、「あんまり性別の話をしたくはないが」という前置きのもと、「青年漫画の文法」だと感じたという あ (id:fallen19)さん。周囲の「青年」に今作を勧めていると言います。
【著者インタビュー】皆にちょっとずつ、自分の欠片を入れているような感じ
集英社が運営する漫画サイト「となりのヤングジャンプ」では著者の眉月じゅんさんと前作『恋は雨上がりのように』のファンだったという声優の杉田智和さんが対談。漫画家として感じるキャラクターの変化や『九龍ジェネリックロマンス』について語っています。
謎が謎を呼ぶ『九龍ジェネリックロマンス』。あなたも感想や考察をブログに投稿してみませんか?
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- 作者:眉月じゅん
- 発売日: 2020/02/19
- メディア: Kindle版