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苦手なことは無理して書かない。OKPさんのブログは「自分にとって面白いこと」を記録する場所

はてなブログのユーザーに、自身とブログについて語っていただく【「ブログを書く」ってどんなこと?】シリーズ。今回は、2004年からはてなダイアリー・はてなブログを使い続けているOKPさん(id:OKP@iamadog_okp)さんの登場です。

ブログを書く時、どんなテーマで書くか、またテーマごとに書く場所を分けるべきか迷う方はいるのではないのでしょうか。OKPさんは、複数のブログを運用してはいるものの、テーマについては意識せず、基本的に「その時々の自分の関心ごとを記録する場所」としてブログを捉えているそう。そのためテーマでブログを書き分けずに、現在のメインブログでは写真やカメラ、登山、料理などさまざまなテーマを扱っているとのことです。

OKPさんにとって「ブログを書くこと」はどういう位置付けなのかについて、寄稿していただきました。

気付けばインターネットで20年以上何かを書いてきました。

特別な専門分野があるわけでもなく、長年1つのテーマについて取り組んでいるわけでもありませんが、いつも何かをネットで書いています。いわゆる“バズる”とも無縁なブロガーで、ごく普通の「インターネット好きおじさん」です。なので、そうそうたる顔ぶれが登場しているこのシリーズに寄稿するのはなんとも場違いな気持ちになります。

以前の仕事は、音楽関連の書籍(プレイヤー向けの実用書や専門誌)編集者でした。実のところ私自身は、編集者の視点では「ブロガーとしての自分」をあまり評価しておらず、「長く続いているだけの素人感想集」のようなものだと捉えています。

それでもこのような場所に書く機会が巡ってくるというのは、「長続き」か「素人感想」のどちらか(あるいはその両方)が注目してもらえたことだと思います。そんな私とブログの関係について少し振り返ってみることにします。

「分かりやすい言葉で情報を伝えたい」という気持ち

最初に自分のホームページを持ったのは2000年ごろのこと。当時、趣味のバス釣りで通い詰めていた長野県の野尻湖に関する、ルアーフィッシングの情報サイトでした。

2004年からは、はてなダイアリーで当時ハマっていたハロプロ*1アイドルや好きな音楽について書くように(当時は「ハロプロについて書くならはてなダイアリー」というような空気感がありました)。現在メインで書いているはてなブログは2012年からのスタート。つまりはてなのブログサービスで、かれこれ17年以上何かしらを書いてきたことになります。

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コックピットのようなデスクでブログを書いている

最初に作った釣りの情報サイトはそれなりに気合を入れて作っていましたが、その後に始めたブログは、人に読ませるつもりではない自分の関心事やちょっとした感想文、日記のような文章から始まっています。

そんな日常の記録だったものが、それなりに長く続けているうちに、自分の視点で経験や情報をまとめてみたり、考察的な話題を書きたくなったりしてしまうのは、釣りのサイトをやっていた頃から変わらない趣味のような習性のようなものかもしれません。

文章を書くことが特に好きだったわけでもないのですが、編集者だったこともあり、情報を分かりやすい言葉で伝えたい気持ちは常に持っているようです。

「最新の自分」を鏡に写したものが私のブログ

よく「ブログで何を書けばいいか分からない」「ブログはテーマを絞って書くべき?」という話を聞きますが、私はブログのテーマについてはそれほど深く考えていません。

一応、いくつかのブログを並行して運用し、話題によっては書き分けているものの、基本的には「その時最も自分の関心があること」を書く場所が私のブログです。

常に自分の関心事が主軸にあるので、扱うテーマや書いていることが少々変わっても、自分の中ではブレていないことになります。言い換えれば「自分が生きている限りブログのネタには困らない」、そんな最新の自分を鏡写しにしたものが私のブログです。

ブログに書く話題の選別についても「興味があれば書く。なければ書かない」と至ってシンプル。「人に話したくなる体験」については特に饒舌になりがちなので、それをテキストに起こせばいいだけです。

シンプルに「○○に行った。楽しかった」だけでも良いですし、実際私のブログにはそういう記事も多いです。でも、より体験や情報の解像度を上げてみると、思考の整理にもなりますし、巡り巡ってどこかの誰かにとって価値のある情報になるかもしれません。

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近場の散歩が増えた今年の1月から始めた野鳥の撮影

先ほど、ブログは「最新の自分の鏡写し」と書きましたが、日常の記録になっていることはもちろん、その時々に熱くなっていることについて、当時の入れ込み具合がそのまま投影されています。後から読み返して「こんなテンションだったのか……」と恥ずかしくなることもあれば、淡々と書いているようで「実は結構興奮してたんだよね」と当時の感情を思い返すきっかけにもなったりします。

十数年前の自分にはなかったテーマを書くように

現在はてなブログでは、主に趣味である写真やカメラ、登山など旅の記録、そして料理や日々の食事といった話題を中心に、身の回りの出来事を書いています。

先述の通り、以前からはてなダイアリーでもブログを書いていたのですが、10年前に結婚して生活スタイルが変化したこともあり、少し気分を変えて「気軽に日記を書く場所」として今のブログを始めました。

当初はただの日記でしたが、徐々にその頃から始めたカメラや登山といった“新しい趣味”を書く場所になっていきました。料理にしてもやはり結婚後に始めた習慣で、会社員を辞めて主夫をしながらのフリーランスとなったことで、ここ5年くらいで書く頻度が上がったテーマでもあります。

カメラ、登山、料理、どれもほんの十数年前(歳を取ると10年前なんてつい最近のことですね)の自分にはなかった要素ばかりなのに、ブログで日々発信しているうちに記事を読んでくれる人が増えたり、新たな人間関係が生まれたり、いつの間にか収入源のひとつになっていたり、こんな記事を書く機会までもらえたりするのだから、つくづくブログとは面白いものです。

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結婚後に夫婦で楽しめる趣味として始めた登山

「人に見せてもギリギリ平気な姿」がブログの中の私

なんでもブログのネタになると考える自分ですが、テキストによる感情表現は昔から苦手。現在のSNSやネット発信において、“共感力”や“エモさ”は重要視される要素だと思いますが、エモい文章にだって面白いものもあればそうでないものもあるし、淡々とした文章からでも書き手の熱量を感じられることはいくらでもあります。自分ではもう「エモい文章は書けなくたっていいじゃん」と、完全に開き直っています

そしてインターネットの海に向けて書いているので、自分の何もかもをさらけ出しているわけでなく、どこか取り繕っていたり、当然見せていない部分もあったりします(家族のことやプライベートについて書き過ぎない、などとは別の意味で)。まるで本物の鏡をのぞいた際に、無意識に表情を作ってしまっているように……。

必要以上に盛ったり演出した姿を見せるわけでもなく、鏡の中でちょっと澄まし顔をしている自分のような、「人に見せてもギリギリ平気」がブログの中にいる私の姿なのです。

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旅と写真。帰宅後のブログレポートも趣味のようなもの(妻撮影)

そんな私のブログを見てくれる読者は大変ありがたい存在。書き続けていると、どうしても読者ウケの良いネタやそうでもないネタも出てきますし、つい読み手を意識した記事を書いてしまうこともあります。

一方であまり読者にウケないことが分かってはいても、書きたい気持ちが抑えきれないことも……。好きなことを書いて読者に楽しんでもらえるなら、もちろんうれしいですが、何より優先するのは自分の欲望です。

好きなことばかり書いて、苦手なことは無理して書かない。一般的には決して正解ではないかもしれませんが、だからこそ続けられているのでしょう。

世界のどこかに、自分と同じ感覚を持つ読者がいるはず

ブログを書く習慣ができて、長く続くようになると、“ブログの収益化”という誘惑がやってくることもあります。はてなブログ界隈でも、ひと頃そんな話題をよく目にしました。お小遣い稼ぎや副業目的でブログを始める人も多いそうですが、よほどの適性がないと結果を出しながら継続させることは難しいでしょう。

ページビューはブロガーにとって分かりやすい指標のひとつです。私のブログもアフィリエイトなどの広告による収益を得ていますし、一時期はブログに関する各種の数字を気にしたブログ運営をしていたこともありました。ただし、検索からの流入はサーチエンジンのさじ加減ひとつで大きく変動してしまうこともありますし、数字について気に病まないようにしています。

「サーチエンジンを見て書くか、読者を見て書くか?」なんて言い方もありますが、なんだったら読者すら意識せずに、「自分に向けて書く」ぐらいでちょうど良いと思っています。好きなことでお金になればうれしいけど、好きじゃないことはやらないし、お金にならないことを書いても楽しい、私はこれぐらいのスタンスが良いみたいです。

少し前の自分が知りたかったこと、未来の自分に向けての備忘録、自分にとって面白いことを書いていれば、自分だけはブログのファンでいられますし、世界のどこかにそんな自分と同じ感覚を持った読者がいるはずです。たぶん。

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ブログがきっかけで知床のシャチを取材する機会をいただいたことも……

10年後には、きっと10年後の私の姿が写ったブログがある

結局なぜ私はブログを書き続けているのでしょう。

1つの目的だけでは、移り気な自分がこれだけ長年続けることもできなかったはずです。せっかくこのような場を用意してもらったので、少し格好良い言葉でも考えてみようかと思いましたが、思ってもいないことや借りてきた言葉を書いてしまっては、後悔するに決まっています

習慣だから、承認欲求を満たせるから、収益があるから。きっとどれも正解ですし、他にいくらでも理由は考えられそうです。それでも人から頼まれたわけでもないのに15年以上続けているのだから、好きであることには間違いはないのでしょう。

先のことなんて分かりませんが、この先ブログを書いていない自分を想像することもできません。10年後にはカメラのことも登山のことも書いていない私がいるのかもしれませんが、きっとそこには、10年後の私の姿が写ったブログがあるのだと思っています

それではまたブログでお会いしましょう。

著者:OKPid:OKP

OKP

東京在住のフリーランス編集者/主夫/ブロガー。アウトドアと音楽、カメラが趣味。ブログ「I AM A DOG」にて趣味や日々の食事について書いたり写真を載せたり。

ブログ:I AM A DOG
Twitter:@iamadog_okp


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*1:女性アイドルグループ・タレントの総称「ハロー!プロジェクト」の略称。